日本の森をめぐる問題と期待

日本は国土に占める森林の割合が6割を超す、世界有数の森林資源が豊かな国です。主に国や自治体が所有しているものと、個人は所有しているものに分けられますが、実は個人が所有する私有林の方が多いと言われています。

日本の木材自給率は、安価な外材の需要が進んだことから、1970年代から50%を下回り始め、それに伴い林業従事者も激減しました。木材にするための木を植え育ててゆくには多くの手間と数十年の時間が必要なうえ、従事する人たちの高齢化が進んでいることから、日本の林業は衰退の一途をたどっています。よって、人工林においても、枝打ちや間伐等必要な整備がされることがなくなり、森林は荒廃していきました。

系を維持し、また「緑のダム」と呼ばれるように、高い水質保全機能を持ちながら、洪水や渇水を防止する役割をも果たしています。更に、豊かな森林と共生することは、私たちの心にもゆとりをもたらし、子どもたちに自然体験の場を与えることにもなります。

近年になり、国や行政、NPO等が森林を健全に保つために間伐材の利用を呼びかけるなど国内の森林資源を有効活用しようという気運が高まってきています。また、企業の環境への取り組みが進む中、企業が国有林などの保全、整備に資金や人材を提供する「法人(企業)の森」と呼ばれる制度への参画が増えてきています。

ピジョンの育樹キャンペーンは1986年に始まりました。2006年までに植えた木は80,000本にのぼり、総面積が東京ドーム6個分になりました。21年目の2007年からは、これまでの国有林での活動より一歩進め、新たに購入したゴルフ場予定地として計画され、長年放置されていた土地を『ピジョン美和の森』として新しい森林づくりを始めました。現在、ログハウス『すくすくハウス』が完成し、せせらぎには散策の小路が出来ています。