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ESGへの取り組み
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世界各国の育児事情

Turkey

トルコでは、産後すぐに赤ちゃんを見に行くのがマナー!

親日国として知られるトルコ。この国の出産準備は、日本と比べてやや忙しそうです。入院期間も通常、普通分娩なら1日、帝王切開分娩なら2日で退院と、日本に比べてとても短く、おむつ、哺乳びん、ミルク、肌着、洋服といった出産後に赤ちゃんが使用するベビーグッズはすべて、ママが自宅から持参して出産に臨みます。出産すると今度は、病院にも自宅にも、親せきや友人が大勢お祝いに押し寄せます。というのも、トルコでは、出産後すぐに赤ちゃんの誕生祝いに駆けつけるのがマナーなのだとか。産後ママは、さぞ目が回ることかと思いますが、パパはもちろん、ママの実母や義母が全面的に産後ママをサポートします。お祝いに来られたお客様も、実母や義母が対応します。
トルコでは、1990年代以降、帝王切開分娩が急増し、2012年には全体の50%前後にまで増えたことから、世界で初めて法律で、理由のない帝王切開分娩を禁止しています。

出産祝いには「ナザール・ボンジュウ」付き金製品

出産祝いには、トルコの伝統的な魔除け「ナザール・ボンジュウ」のついた金細工や金貨がよく贈られます。これは、妬みや呪いのこもった邪悪な視線(ナザール)を撥ね返す、正義の視線を表したもの。お祝いに来られたお客様には、モモやリンゴなどの果物を水や薄い砂糖水で煮て作った飲み物「コンポスト」でおもてなし。「コンポスト」は産後ママの滋養強壮・母乳促進にも効果があるとされる定番ドリンクです。
トルコの赤ちゃんは、2歳を過ぎても母乳を飲む子が多く、日本より卒乳のタイミングは遅めのよう。一方で離乳食には、白チーズ、バター、オリーブオイル、ペクメズ(ブドウのシロップ)など栄養価の高いものが多く使われています。

Indonesia

女性の活躍する国、インドネシア

女性が大統領に就任した実績もあるなど、女性の社会進出がめざましい国、インドネシア。この国では、結婚や出産を理由に退職する女性は少なく、出産に際しても、通常3か月の産休取得後、ほとんどの人が復職します。日本のような国民健康保険制度がないため、出産費用は実費ですが、会社の健康保険等でその大半は補助されるほか、産休期間中も給与が100%支給されるケースが多いようです。首都ジャカルタ市内では、産後の職場復帰のために家庭でフルタイムのベビーシッターを雇うのも一般的。ベビーシッター1人につき日本円換算で月額6,000円~10,000円と、特別裕福な家庭でなくとも、1-2名の家政婦さんを雇う文化が深く根付いています。今でも残る風習として、脚がO脚にならないようにと、新生児がタオルでぐるぐる巻きにされている姿も見られます。

日本発の母子健康手帳がインドネシアで大活躍!

ママにとって、出産・育児の必需品の一つと言えば、母子健康手帳。妊娠初期から乳幼児期まで母子がともに継続ケアを受けるための健康記録として、母子健康手帳はインドネシアでも全土にわたって普及しています。実はインドネシアでの母子手帳普及の裏には、日本からの支援・協力がありました。1990年代初めに、当時ASEAN諸国の中でも母子保健の状況が極めて低い水準にあったインドネシアから1人の医師が来日し、日本の母子健康手帳制度に深く感銘を受けたことがきっかけとなって、同国内での導入に向けて動き出しました。インドネシア全州に導入が実現したのは2000年代半ば。今では毎年、日本の5倍の約500万冊の母子手帳が印刷・発行されています。インドネシアでの導入事例が第1号となって、その後、世界約40か国に、日本生まれの母子手帳が広がり、世界中で900万冊もの母子手帳が毎年発行されています。

China

2016年「一人っ子政策」が廃止に

1979年に始まった「一人っ子政策」の撤廃が2015年10月に発表された中国。この影響や受け止め方は、各世代でさまざまのようです。日本でも「バブル世代」「ゆとり世代」などの呼称で世代間ギャップを説明しますが、中国では、「七〇后」「八〇后」「九〇后」と西暦何年に生まれた世代かで呼称が違います。「八〇后」は一人っ子政策実施後第一世代で、両親や祖父母からの愛情を一身に受けて育ったことから、「小皇帝」とも呼ばれていますが、その「八〇后」(とりわけ「八五后」)、そして「九〇后」が今、結婚適齢期を迎え、現代の中国の新しいファミリーを形成しています。さて「一人っ子政策」廃止後、出生数は着実に増えていますが、実際に「第二子」を出産した世代に、実は「七〇后」も相当数います。自分自身は兄弟姉妹のある家庭で育ったのが大半の「七〇后」。「多子多福(子どもが多ければ多いほど福が多い)」という中国の伝統思想も大きく影響しているのかもしれません。

中国では、ワーキング・マザーが当たり前!

 日本では、「女性活躍」が叫ばれていますが、中国人にとってはもしかすると「何をいまさら」という感があるかもしれません。中国では女性が仕事を持っていることはとても一般的で、両親共働きの世帯が圧倒的多数を占めます!ですから当然、保育園も充実していますが、一部では、保育士不足の問題も見られるようです。出産予定日の6週間前から産休を取得できる日本に比べ、中国では出産前に取得できる休暇は15日間と短く、そのため、お産直前まで大きなおなかを抱えて仕事をする妊婦さんもよく見かけます。産後3~4ヶ月の休暇を経て職場に復帰した後、子どもの1歳の誕生日までは、1日1時間の母乳休憩(時短勤務)を取得できるようですが、特に都市部などでは復帰のタイミングで、母乳から粉ミルクに切り替える人も多いようです。

祖父母依存の「八〇后」と、独立志向の「九〇后」!?

上述の通り中国ではワーキング・マザーが当たり前!とご紹介しました。そのワーキング・マザーの育児の実態は、保育園の普及が充分でない分、祖父母からのサポートに頼る部分が大きいことが一般的のようです。そうしたこともあり、「八〇后」のパパ・ママたちにとって、祖父母との同居を理想的と考える層も比較的多くいるようです。 その一方で、「九〇后」は、核家族化を志向する傾向がより強くなっています。「九〇后」が物心のついた2000年代には、パソコンや薄型テレビ、携帯電話などが中国で爆発的に普及しており、「九〇后」のライフスタイルに、インターネットやSNSの存在は欠かせません。そのような時代に育った「九〇后」は、伝統よりも、現代的な専門知識に重きを置く傾向があります。育児に関する疑問や課題に直面しても、祖父母に意見を仰ぐ前に、自分でネットから解決方法を取得してそれに従うのでしょう。

赤ちゃんは「宝宝」

赤ちゃんは世界各国どこに行っても宝物。中国でも赤ちゃんは「宝宝(バオバオ)」と呼ばれ、とてもかわいがられます。出産祝いには、赤ちゃんの健康・長寿を願う、金・銀のブレスレットや「長命鎖(チャンミンスオ)」(イラスト)などを贈る習慣があります。また、中国では、産後ママのケアも非常に重視しており、産後1ヶ月は「坐月子(ズオユエズ)」といって、ママは授乳以外にはほとんど起き上がらずに過ごします。そのため病院とは別に、「坐月子中心(センター)」といった、産後ママの母体回復のために、赤ちゃんのお世話や毎日の食事の提供をしてくれる施設もあります。中国でも日本同様、母乳育児が奨励されていて、母乳の出をよくするためにはスープなどの水分補給が一番良いと考えられているようです。

Malaysia

多民族国家マレーシアを支える共働き夫婦

人口の約6割がマレー系、約3割が中国系、約1割がインド系で構成されている多民族国家・マレーシアでは、イスラム教国家でありながら、各民族の宗教や慣習の自由が認められています。小学校における言語教育を見ても、マレー系ではマレー語、中国系では中国語、タミル系ではタミル語で教えるなど、各民族のアイデンティティが尊重された教育システムとなっており、出産や育児の考え方・習慣も民族によってさまざまです。
また年率約4%で経済成長を続けるマレーシアでは、共働き家庭がとても多く、働くママの大半は2カ月間の産休後すぐに職場復帰を果たします。そうした環境下でも、「母乳はさく乳で」という意識も少しずつ高まり、生後6カ月の赤ちゃんの授乳状況も、2006年には15%弱だった母乳育児(混合を除く)の比率が、2014年には35%にまで大きく伸びてきており、国を挙げて母乳育児を推進してきた効果が窺えます。

各民族で特徴の出る子育てに関する習慣

さまざまな習慣の違いが見られるマレーシアでも、出産前後の食べ物については、ほぼ同じような考えが浸透しています。パパイヤ、ココナッツといった南国ならではのフルーツは体を冷やすとされることからプレママには大敵とされ、ドリアンも高糖度といった理由で妊娠中は敬遠されています。産後の母体回復にはショウガやハーブなどを使った食事が良いとされ、積極的に摂取されます。
赤ちゃんが生後1カ月になると、マレー系でも中国系でも、多くの家庭では「フルムーンパーティー」を開いて、親戚・友人を招待して赤ちゃんの生後1カ月目のお祝いをします。赤ちゃんは髪の毛を剃られ、新品のお洋服にドレスアップし、また招待客には食紅などで殻を赤くしたゆで卵などが両親から贈られます。中国系では祖父母から赤ちゃんに金のアクセサリーがプレゼントされるケースが多くあります。また、マレー系のコミュニティでは、きれいに洗った胎盤を白い布で包んで庭の木の下などに埋める風習もあります。

India

大家族の中で育つ子どもたち

人口約13億人と世界第2位のインドですが、年間出生数は約2,700万人と、人口第1位の中国を上回っています。経済優先政策を打ち出したモディ政権下で、ムンバイ、コルカタ、ハイデラバード、ニューデリーなどの都市部を中心に、ダブルインカム世帯などの中間層が増加傾向にあり、2020年には富裕層・中間層が1億4900万世帯に上るとの予測もあります。
家族のきずながとても強いインド人は、一般的に女性は結婚後、夫の両親・兄弟と同居するため、大家族となります。その中で、同居する姑などから子育てに関するアドバイスを多々受けるママたちは、それを忠実に守る傾向があります。そのため、「お産がうまく進むよう、陣痛が始まったら義母の親指が浸けられた水を飲む」とか「生後15日目から赤ちゃんはオイルマッサージを開始」といった古くからの風習も依然、多く受け継がれています。
中間層の家庭は、大家族なうえに、ドライバー、コック、ハウスキーパー(家事全般)、スイーパー(掃除)、チョキダール(門番)、ベアラ(給仕)、トビー(洗濯)、マリ(庭師)などのたくさんの使用人もいます。人の仕事を奪ってはいけないという意識から分業が浸透しており、その中で子守に関しては「アヤ」が一切を任されます。

子守を任される使用人「アヤ」

アヤは、子ども好きで世話ができれば特に資格は必要なく、年齢も15才くらいから50代までとさまざまです。大切な子どもを預けるので、1~3ヵ月の試用期間があるほか健康診断書の提出義務もあるなど雇用審査は厳しい反面、お給料の相場は他の使用人より高めに設定されています。アヤの仕事は、公園などへの子どもの散歩、おむつ替え、ミルクや離乳食を与えるといった子どもの世話に特化しています。家族がショッピングなどに外出する際にはアヤも同行し、外出先での食事などで子どもの面倒を見ます。長期のバカンスにアヤが付き添って、一緒に泊まって子どもの面倒を見ることもあります。
気になる離乳食ですが、インドといえどもカレーはもう少し成長してから。柔らかくゆでたお粥から始め、それに小さく刻んだ豆やジャガイモなどを加えた「キチュリ」というお粥が定番です。

Thailand

タイは帝王切開王国!?

タイの出産事情で特徴的なのが、帝王切開率の高さです。日本での帝王切開率が5人に1人くらいであるのに対し、タイでは約8割が帝王切開で出産するというデータもあるほど。タイ人には、出産時の痛みに耐えることを美徳とするような考え方はなく、妊婦自らが分娩時の痛みを回避したいという理由から帝王切開を選択したり、あるいは縁起の良い日・時刻に出産をしたいという理由で、占い師などに言われた日時に合わせて帝王切開で出産することも多々あります。
そのほかにも、ベビー服やベビーベッド、哺乳びんといった新生児を迎えるにあたって用意すべきグッズは、赤ちゃんが生まれる前に準備するのは良くないとされ、生まれてから購入します。また妊娠中は、家の中で釘を打つ行為は赤ちゃんに良くないので避けるとか、妊婦が下着などの衣服に安全ピンをつけておくと、悪いものが体内に入ることを防ぐことができると考えられているなど、妊娠中の過ごし方に関するタイ独特の風習も多くあります。

ピジョンの哺乳びん・乳首は高いシェアを獲得

共働き家庭の多いタイでは、出産後に母親がすぐに働くための施設やサービスが整っています。母親たちも、育児は保育園や両親、ベビーシッターなどに任せ(場合によっては家事もメイドに任せ)、育児と仕事のバランスをとるというよりも、切り分けて考えるというのが一般的です。また、授乳のための社会環境が十分整っていないこともあり、世界的に見ても、タイの母乳育児比率はとても低くなっています。
中所得国に該当するタイでは、所得格差も依然大きく、育児関連用品においても多くの競合他社がひしめき合い、低価格を売りにした現地企業が勢いを増してきています。そのような中、ピジョンの主力商品である哺乳びん・乳首は高いシェアを維持しており、乳首については50%ものシェアを確保しています。

Singapore

シンガポールの出産・子育て事情

共働き世帯が約8割と、圧倒的多数を占めるシンガポール。出産・子育て事情はどうなっているのでしょうか。シンガポール国内で分娩施設を備えている病院は10軒。プレママ・プレパパは、出産に備え、事前に分娩施設などを内覧できるホスピタルツアーを予約してどの病院で出産するかを決めることが多いようです。通常の出産での入院期間は1泊2日が基本。妊娠期から出産後約1ヶ月くらいまでの間は、新生児ケアに関する専門知識があるドゥーラが新米ママの面倒を見てくれる産後ケアサービスの利用者が増えてきています。シンガポールでは法定の産前・産後休暇が計16週間となっていますが、ワーキングママの大半は、出産ギリギリまで働いて産後3~4ヶ月後には、赤ちゃんを保育園や両親に預けて仕事に復帰するようです。シンガポールは面積が東京23区と同程度なので、夫婦の両親が近くに住んでいるケースが多いというのも、それを可能にしている大きな要因の一つでしょう。

少子化対策に力を入れているシンガポール政府

島国で多民族国家であるシンガポールも、日本と同様に少子化問題に直面しています。人材こそが唯一の国家財産と考えるシンガポール政府では、出産祝い金の「ベビー・ボーナス制度」や、親に子どもの教育基金積立努力を促す「子ども育成教育積立制度」、さらには就学前教育を徹底させるための「保育園利用補助金制度」など、出産奨励・育児援助に注力しています。子供のために取得できる年6日間の休暇のうち3日間や16週間の産休期間中の給与2ヶ月分などは、政府から給付されます。また、ママだけでなくパパの育児参加を促すために、ワーキングパパは最長2週間(うち法定は1週間)、政府支給による父親の産休が認められています。

U.S.A

母乳育児をサポートするラクテーション・コンサルタント

日本同様に米国でも、妊娠中の女性の多くはプレママ講座の受講などを通じて出産に備えます。こうした講座で必ず触れられるトピックスの1つが、母乳育児です。産前・産後を通して、母乳育児の大切さを伝え、さらには授乳指導・母乳相談などの、母乳育児全般を支援する専門家を「ラクテーション・コンサルタント」と呼びます。産科医・小児科医や看護師、助産師、さらには医療スタッフではないものの自らの経験をもとに出産前後のママを支援する方々が、ラクテーション・コンサルタントとして、ママの母乳育児をサポートしています。

米国で「ダブルポンプ型の電動さく乳器」が普及しているのはなぜ?

日本ではなかなか見ることがないダブルポンプ(両乳同時さく乳)型の電動さく乳器。実は米国では、最も普及しているのがこのタイプのさく乳器です。米国では、さく乳器は産後育児の必須アイテムとして広く普及しており、その背景には、社会制度や風土の違いがあるようです。他国に比べ産後休暇(無給)が最長3ヶ月間と短い米国では、産後すぐに訪れる母子分離に備えて小売店や保険会社などを通じてさく乳器を買い求める女性が多くいます。産後3ヶ月といえば、母乳の分泌が最も多い時期。母乳育児の大切さを理解し、できることならば復帰後も赤ちゃんに母乳を与え続けたい――。そんな米国のママのニーズを満たすのが、シングルポンプ型や手動タイプに比べて時間が節約でき効率が良い「ダブルポンプ型の電動さく乳器」なのでしょう。ベビーシッターが普及している国では、働くママに限らず、子どもを預けて出かけるママも多く、そのようなときでも母乳を与えられるようにと、さく乳器は欠かせないアイテムの1つとなっています。

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