消費者志向自主宣言 活動報告(2022年)

ピジョングループは、「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」を存在意義として事業を展開しております。
社員一人ひとりがこの存在意義をしっかりと見据え、明日生まれる赤ちゃんの未来にも豊かな地球を残すための環境負荷軽減、赤ちゃんとご家族を取り巻く社会課題の解決に邁進するとともに、赤ちゃん一人ひとりが持つ好奇心と成長する力を尊重し、多様な価値が共鳴し合う、自由で喜びにあふれた未来を創造していきます。

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みんなの声を聴き、かついかすこと

グッドデザイン賞の受賞

2022年のグッドデザイン賞(主催: 公益財団法人日本デザイン振興会)に「災害用 授乳カップ」「頭をまもる ブランケット」「母乳実感消毒ケース トング付き3.6L」「母乳実感哺乳びん、乳首」の4製品が受賞しました。「災害用 授乳カップ」はグッドデザイン・ベスト100、グッドフォーカス賞[防災・復興デザイン]をダブル受賞、「母乳実感消毒ケース トング付き3.6L」はグッドデザイン・ロングライフデザイン賞を受賞しました。 

お客様の声を活かした商品改善への取り組み

お客様の商品に対するご意見・ご要望は、苦情対応マネジメントシステムに則り、毎月の「カイゼン会議」において、商品開発部門、品質管理部門、お客様相談室で検討し、商品の改善につなげています。WEB会議も活用し、2022年度の具体的な改善に結びついた件数は、17件でした。

改正育児・介護休業法の施行に伴う、意識調査の実施、新育児制度の運用開始

赤ちゃんにとってやさしい社会環境を整えるには、男女共に育児に携わることのできる社会の実現が重要であると考え、そのきっかけとなるような情報発信や、社内の育児制度の整備を行っています。

2022年は改正育児・介護休業法が施行されることを受け、既婚男性を対象とした育休取得への意識や実態、ママ・パパの家事育児の役割分担や、分担に対する課題の認識について調査を行いました。
その結果、“未来のパパ”の約半数が1ヶ月以上の育休取得を希望するも、実際には約8割が1週間以下の短期間という男性の育休取得の実態や、家事育児の分担では、ママとパパ、双方の認識にさまざまな差が生じていることが明らかになりました。

社内では「社員で作り上げる育児制度プロジェクト」を立ち上げ、仕事と家庭を両立しながら働くことができるよう社員のリアルな声を反映させた新育児制度を作り、運用を開始しています。

育児・家事共有サポートアプリ「我が家のトリセツ」がBabyTech® Awards 2022を受賞

育児・家事共有サポートアプリ「我が家のトリセツ」が、株式会社パパスマイルが主催する「BabyTech ® Awards 2022」の家事の効率化部門の最優秀商品に贈られる"大賞"を受賞しました。
当社調査でも明らかになった、家事・育児におけるママ・パパ間の認識の差、コミュニケーションの課題を解決する頼もしいツールとして活用いただけることを目指しています。

未来・次世代のために取り組むこと

早産児・低出生体重児にママの初乳を一滴でも多く届ける、初乳採取サポートデバイス「 Precious Drop」

2022年8月、早産児・低出生体重児にママの初乳を一滴でも多く届けられるよう初乳採取をサポートするデバイス「Precious Drop」を病産院向けに販売開始しました。
産後早期に分泌される初乳は免疫成分が多く含まれ、小さく生まれた赤ちゃんにとって大切な存在です。NICU入院等により直接授乳ができない場合、手でさく乳した母乳を1滴ずつシリンジで採取しますが、「手技自体が難しい」「シリンジ先端で初乳を受け止めにくい」「手や乳房に初乳が付着してロスしてしまう」等の声を頂いていました。
「Precious Drop」はママの負担を軽減し、赤ちゃんに1滴でも多く初乳を届けることを支援します。

ちいさな産声プロジェクト 【母乳バンク】 ドナーミルクご利用家族向け・情報Bookが完成

「母乳バンク支援活動」の一環として、赤ちゃんのためのドナーミルクに対して抱く利用への抵抗感を軽減するため、「ドナーミルクご利用家族向け情報Book」を制作しました。
本冊子では、予期せず突然ドナーミルクを提案される場面においても、わかりやすく説明することで、ドナーミルクの知識や情報を補えるようにしました。また、先輩ママやパパ、医療従事者の声を加えることで、小さく赤ちゃんを産み、ご家族の揺れる気持ちに寄り添いつつ、利用の判断を手助けできるよう工夫しました。
「ピジョン ちいさな産声サポートプロジェクト」のサイトより無料ダウンロードいただけるほか、一般財団法人日本財団母乳バンクの協力により、ドナーミルク使用病院に対し無償提供され、ドナーミルクの利用を検討されるご家族の元に届けられています。

中学生向け「赤ちゃんを知る授業」

赤ちゃんにやさしい未来を実現するために、社会全体で考え行動に繋げる取り組み「Baby Friendly Future Project」の一環として、日本全国の中学生に向けて教育プログラム「赤ちゃんを知る授業~赤ちゃんにやさしい未来のために~」の教材を提供しています。
この教材では、中学生が赤ちゃんへの興味・関心を持ち、社会の一員として自らできることを考え、行動につなげることを目的としています。
2022年度、授業を実施した学校数は143校、授業を受けた生徒数は11,845人となりました。一部の学校ではピジョン社員自らが出向き、妊婦ジャケットを装着しての妊婦体験、ベビーカーの走行体験などを行い、赤ちゃんとご家族についてより深い学びの機会を提供しています。

赤ちゃん向け防災用品シリーズ「sonaetta ソナエッタ」の発売と自治体への無償提供

いつかのためだけでなく、普段から使えて自然な備えができる赤ちゃん向けの防災用品シリーズとして、2022年8月「sonaetta (ソナエッタ)」を発売しました。

9月には全国8自治体に、社会における赤ちゃんの防災の重要性と、備蓄の意識付け促進を目的として、「災害用 授乳カップ」「抗菌・抗ウイルス機能付き コンパクトベッド」を無償提供しました。

また、「赤ちゃんの防災」をはじめとした、もしもへのそなえを広めるため「あかちゃんとそなえの輪推進プロジェクト」の宣言を行いました。
同じ想いで「赤ちゃんの防災」に取り組む自治体や企業、団体と協力し、赤ちゃんにやさしいまちづくりを進めていきます。

環境に配慮した新規原料や新規生産技術の構築を推進する「Pigeon Tsukuba Engineering Center」の開設

2022年2月「Pigeon Tsukuba Engineering Center」を筑波事業所内に開設・稼働しました。本施設の開設により、ピジョングループの各工場が持つ哺乳器の生産技術と品質管理に関するナレッジを結集し、製品のさらなる生産性の向上、環境に配慮した新規原料や新規生産技術の検討などを積極的に推進します。

  • 生産拠点や技術をお客様まで、すべての流れをTECが「繋ぐ」という意味を込めたロゴデザイン

  • オフィスエリアの一部

  • 成形機エリアの一部

使わなくなった哺乳びんの資源リサイクル活動

2022年8月、株式会社赤ちゃん本舗と共に、関東エリアのアカチャンホンポ10店舗において、ご家庭で使わなくなったピジョンの哺乳器回収ボックスを設置し、資源リサイクルする実証実験を開始しました。
日本国内のシェアが85.3%※を誇る当社の哺乳器は、これまで一般的に「資源ごみ」ではなく「不燃ごみ」として扱われ、リサイクルが進んでいないのが現状でした。
そこで、回収した哺乳器を素材ごとに分別、リサイクル工場へ発送、プラスチックはプランターやパレットなどへ、ガラスは路盤材などを製造するための原料の一部に再生する資源リサイクル活動を始めました。
2022年8月25日~2023年2月末までに、7,437個を回収し、回収した哺乳びんの一部を原料として新たな哺乳びんへと生まれ変わらせる「循環型ものづくり」の取り組みも始めています。

※ピジョン調べ(2022年インテージPOS  全国ベビーショップ・ドラッグストア合算拡大推計値による)

ピジョン環境ラベル

お客さまが環境に配慮した製品をお選びいただけるよう、当社独自の環境基準「ピジョン環境ラベル表示基準」を満たす製品のパッケージに、「ピジョン環境ラベル」の表示を、2021年2月より開始しています。2025 年には、日本国内ベビー・マタニティ全製品への表示を目指します。
2022年度は、全対象製品のうち、「ピジョン環境ラベル」の表示基準を満たしている製品の占める割合はおよそ68.3%となりました。

  • ピジョン環境ラベル

ピジョン赤ちゃん誕生記念育樹キャンペーン

当社では、1986年から「ピジョン赤ちゃん誕生記念育樹キャンペーン」を、36年以上にわたり継続して実施しています。これまで約20 万人以上の赤ちゃんにご応募いただき、累計155,000本を植樹しました。
新型コロナウイルスの感染拡大を踏まえ中止しておりましたが、2022年は3年ぶりに茨城県常陸大宮市の「ピジョン美和の森」において植樹式を開催することができました。

林野庁「森林×脱炭素チャレンジ2022」優秀賞(林野庁長官賞)の受賞

森林整備を通して脱炭素に貢献する企業の取り組みを表彰する「森林×脱炭素チャレンジ2022」において、優秀賞(林野庁長官賞)を受賞しました。今回は「森林の有する公益的機能発揮への貢献」部門での受賞で、「ピジョン赤ちゃん誕生記念育樹キャンペーン」を通じた森づくりが評価されました。
また、森林整備を通じて脱炭素に貢献する「グリーンパートナー2022」にも認定されました。
これまで植樹してきた樹々全体により年間507t のCO2 吸収に貢献しています。

企業主導型ボランティア・ボランティア休暇制度

企業主導型ボランティア活動とは、企業が社員に対してボランティア活動を紹介し、参加希望者を募って実施するボランティア活動です。

6月には環境負荷を軽減する取り組みとして、公益財団法人かながわ海岸美化財団の協力のもと、神奈川県鎌倉市由比ガ浜海岸でゴミ拾い活動を行いました。
また12月には認定特定非営利活動法人 おもちゃの図書館全国連絡会の協力のもと「荒川おもちゃ図書館子育て交流サロン」と「おぐぎんざおもちゃ図書館子育て交流サロン」にて、おもちゃ図書館の開館準備やおもちゃの消毒・清掃などを実施しました。

2022年は赤ちゃんとご家族、地域社会、環境保全のための活動を4種類実施し、計31名の社員が参加しました。

法令を遵守・コーポレートガバナンスの強化をすること

コンプライアンス教育の実施

2022年は、企業倫理綱領および当社グループの内部通報制度をテーマとして、当社および国内グループ全社の社員に「ピジョンコンプライアンス通信」を月1回配信しました。また、コンプライアンス研修として、当社グループのすべての社員に対して、コンプライアンスの重要性を代表取締役社長からの動画メッセージで伝えたほか、企業理念や企業倫理綱領(腐敗防止や競争法の遵守を含む)、内部通報制度について、独自の資料を元に説明し、社員が日常業務において身に付けておくべきコンプライアンスの浸透を図りました。
研修後には受講者へのアンケートを行い、内容の改善に活かしています。

マネジメントレビューの開催

2022年も「マネジメントレビュー」を6月、12月の2回開催し、「お客様のお声」を社長と経営層に報告し、課題について議論しました。お客様対応の音声を全員で聴き、お客様の視点・感覚を踏まえ課題を議論、次年度の活動目標に反映しています。