支援が必要な赤ちゃんへの新商品・サービス
病産院向け商品の使用拡大

ちいさな産声サポートプロジェクト

早産で生まれた赤ちゃん、低体重で生まれた赤ちゃん、病気や外的疾患で治療が必要な赤ちゃんなど、専門的なケアを必要とする赤ちゃん一人ひとりの健やかな成長を支え、ご家族がより安心し幸せを実感できるように支援する活動を各国で行っています。

専門的なサポートが必要な赤ちゃん向けの商品

すべての赤ちゃんがよりよく哺乳できることを追求し、病産院のNICU(新生児集中治療室)との共同研究に取り組み、「口唇口蓋裂児用哺乳器」「弱吸啜用乳首」など、低出生体重児や障がいがある赤ちゃんの体への負担を最小限にしながら母乳やミルクをしっかり哺乳できる専用商品を提供しています。また「早期産児おしゃぶりPreemie Care(プリーミーケア)」は、治療や処置などの痛みを緩和させる一つの方法として用いられています。2022年には病産院向けに、早産児・低出生体重児にママの初乳を一滴でも多く届けられるよう初乳採取をサポートするデバイス「Precious Drop(プレシャスドロップ)」の販売を開始。中国では皮膚が未熟な赤ちゃんのトラブルを軽減するため、低出生体重児専用オイルを開発。2024年には、口唇裂・口蓋裂や疾患などで直接授乳や人工乳首での哺乳が困難な赤ちゃんのための哺乳器(細口哺食器)をリニューアルした「ロングフィーダー」の発売を開始しました。専門的なケアを必要とする赤ちゃんを常にサポートしてきたことで蓄積されたノウハウは、ピジョンのものづくりに反映され、ピジョンの商品力を支える大きな強みとなっています。

専門的なケアを必要とする赤ちゃんとご家族向けの活動:
写真展「Drops of Love ~共に歩むプロフェッショナルに支えられて~」

初乳採取をサポートするデバイス「Precious Drop」を医療従事者に知ってもらうことを目的に、日本では2023年に参加者の過半数(約1,000人)が助産師である第64回日本母性衛生学会総会・学術集会にて写真展「Drops of Love ~共に歩むプロフェッショナルに支えられて~」を開催。「Precious Drop」の誕生秘話や使用シーンの写真を展示し、医療現場で働く方々にちいさく早く生まれた赤ちゃんとご家族の姿や当社商品の特長を伝えました。

専門的なケアを必要とする赤ちゃんとご家族向けの活動:母乳バンクを支援

専門的なケアを必要とする赤ちゃんとご家族向けの活動の一つとして、日本・中国・インド・ベトナムなどにおいて、母乳バンク※1を支援しています。日本では2020年、当時日本で2拠点目となる「日本橋 母乳バンク」を本社1階に開設し、母乳パッドやさく乳器、母乳フリーザーパックの売上の一部を一般社団法人 日本母乳バンク協会に寄付するキャンペーンや母乳バンクに関する意識調査の実施などを通して、母乳バンクの認知向上に向けた普及活動を行っています。
また中国では、2020年に中国北京春苗慈善基金会「母乳バンク特別基金」の第1号メインパートナーとなり、2020年から2023年7月までに合計100万人民元(約1,900万円)を寄付し、福建省小児病院、北京華信病院(清華大学第一付属病院)、雲南省の昆明市小児病院など合計6病院内での母乳バンク新設に貢献しました。支援開始からおよそ220万ml※2におよぶドナーミルクを1,600人以上の小さく生まれた赤ちゃんに届けています。
各国で赤ちゃんとご家族を取り巻く社会課題の解決に貢献することで、企業価値向上を目指します。

※1 母乳が必要な極低出生体重児(出生体重1,500g未満の赤ちゃん)が、ママの体調が悪い、十分な量の母乳が出ないなどの理由でママから母乳を得られない場合に、寄付された「ドナーミルク」を低温殺菌処理して安全な形で提供する施設
※2 ドナーミルクを利用する赤ちゃん一人あたりに平均でおおよそ1,300mlの母乳を提供

  • 昆明市小児病院に新設された母乳バンク

専門的なケアを必要とする赤ちゃんとご家族向けの活動:口唇裂・口蓋裂の赤ちゃんを支援

ピジョングループは、中国、シンガポール、インドネシア、タイ、マレーシアなど、世界各地で口唇裂・口蓋裂の赤ちゃんを支援する活動を行っています。2023年には中国で、非営利団体Operation Smileと協働した口唇裂・口蓋裂の認知拡大と手術費用を募るためのキャンペーンを実施し、10名の社員が参加しました。また、シンガポールではチャリティイベント「#Fitness4Smiles」に現地の社員がボランティアで参加し、参加チームのフィットネスバイクの走行距離に応じた金額が、口唇裂・口蓋裂の赤ちゃんへの支援活動に充てられるこのイベントで、PIGEON SINGAPORE PTE. LTD.から参加した6チーム18名が約50万円を集めました。このほか、手術の際の事務的なサポートにも参加しています。商品の寄贈や、寄付活動だけでなく、各地の社員がボランティアで支援を行うことで、赤ちゃんとご家族に寄り添い、医療従事者とも連携を行うことで、ブランド力の強化・向上につなげていきます。

※ 先天性障がいの一つであり、軟口蓋あるいは硬口蓋またはその両方が閉鎖しない状態の口蓋裂と、口唇の一部に裂け目が現れる状態の口唇裂の総称

一般消費者向けセミナー・医療従事者向けセミナー

ピジョングループは、一般消費者向けのオンラインセミナーやイベントを各国で開催しています。日本では、産科医や助産師から学ぶ母乳育児セミナー「おっぱいカレッジ」や、先輩ママが教える沐浴・保湿の実技レッスン、ピジョン社員による肌ケアグッズレッスンなどをテーマにしたドラッグストアとの共同セミナーをプレママ・プレパパ向けに開催。2023年は3,920名が参加しました。海外においても、母乳育児や乳歯ケアに関するセミナーを多数開催しています。
また、各国で母乳哺育・授乳支援などに携わる医師・助産師・看護師・保健師・栄養士・薬剤師などの医療従事者の方々が、ケアや支援をする際に活かせる情報を発信する、医療従事者向けセミナーも実施し、2023年も世界各国の病産院の医療従事者にご参加いただきました。日本では母乳育児支援や産後ケアをテーマに、中国では早産児や低出生体重児の肌トラブルをテーマにセミナーを開催し、当社ベビーケアオイルの特長を含めて情報提供を行いました。今後も、医療従事者向けのセミナーを通じて、病院や産院での認知と信頼構築につなげていきます。

  • 当社ベビーケアオイルを活用した中国でのセミナーの様子

赤ちゃんとそのご家族を取り巻く課題を解決するための活動

ピジョン早産児医療保険(中国)

2018 年11 月、PIGEON (SHANGHAI) CO., LTD.は中国平安保険会社と協力して中国初の「早産児医療保険」を設計しました。中国では、小さく生まれた赤ちゃんを救う新生児医療は進歩していますが、経済的理由から治療を断念する家族も多い現状があり、この早産児医療保険を通して早産児のご家庭における医療費の経済的負担を少しでも軽減できるよう支援しています。

後期早産児とご家族の心のケア(ピジョンにっこり授乳期研究会)

ピジョンでは、2014年に授乳期のママと赤ちゃんの専門家とともに、授乳期の課題を見つけ、ソリューションを提供する「ピジョンにっこり授乳期研究会」を発足。
2018年からはNICU(新生児集中治療室)・GCU(新生児治療回復室)に入院した後期早産児(妊娠34週~ 36週で生まれた赤ちゃん)を出産した母親が心の中に抱える想いを明らかにする研究に取り組み、学会等において発表を行っています。
また、その研究過程にて、母親への心のサポートの必要性が明らかになり、支援策の一つとして、本研究会の専門家とともにご家族へ向けたサポートブック(NICU・GCUに入院した後期早産児とそのご家族向け冊子)を作成、無償で提供しています。

  • 第 59 回日本母性衛生学会総会・学術集会学術発表(口演)の様子

  • NICU・GCUに入院した後期早産児とそのご家族向け冊子「ちょっと早く生まれた赤ちゃんのサポートBOOK」

授乳期の研究活動(ピジョンにっこり授乳期研究会)

ピジョンは2014年、授乳期のママ・パパと赤ちゃんに携わる専門家とともに、授乳期の課題を見つけ、ソリューションを提供する「ピジョンにっこり授乳期研究会」を発足しました。「より多くの赤ちゃんが健康に育ち、より多くのママ・パパが子育てに幸せを実感できることを大切にする社会を目指す」という理念の下、授乳に関する情報を包括的にまとめた「しあわせ授乳期サポートBOOK」 を2016年に発行して以来、累計約89万部(2022年12月末時点)を無償で提供しています。

妊娠中~授乳期のママ・パパ向け冊子「しあわせ授乳期サポートBOOK」

授乳・さく乳室の設置支援

ピジョンでは誰もが安心して母乳育児を続けられる環境整備や出産後の女性の復職支援を目的に、世界20ヵ国約270カ所(2023年12月末現在)※で「授乳・さく乳室」の設置や商品提供等を通じた運営支援を行っています。
※2021年12月末時点:世界23ヵ国11,005ヵ所、2022年12月末時点:世界24ヵ国約450ヵ所。2013年から2021年まで、中国において約10,000ヵ所以上の「授乳・さく乳室」にて運営支援を行い、授乳環境の整備に貢献いたしました。2022年からは、中国においてより課題が大きい低出生体重児の支援として母乳バンクの設置支援、口唇口蓋裂児の支援として寄付や商品提供、ボランティア活動など専門的なケアを必要とする赤ちゃんの支援に注力しています。

わたしたちの活動「小さく生まれた赤ちゃんのために母乳バンクを支援(中国)」

わたしたちの活動「口唇口蓋裂の赤ちゃんをサポート(中国)」

Baby Friendly Future Project

赤ちゃんにやさしい未来を実現するために、社会全体で考え行動に繋げる取組み「Baby Friendly Future Project」を2021年に発足しました。
日本の中学生向けに教育プログラム「赤ちゃんを知る授業-赤ちゃんにやさしい未来のために-」を開始し、先生が授業を実施するための教材を約130校に無料で提供しました。

「Baby Friendly Future Project」について、詳しくはこちらをご覧ください。

「赤ちゃんにやさしい未来像」WEBサイト