品質と安全性の取り組み

事業競争力向上とビジネス強靭化

ピジョン製品の品質と安全性の取り組み 〜お客様に安心・安全な製品をお届けするために〜

品質保証の考え方

ピジョンでは、世界中の赤ちゃんとご家族に安心・安全な製品をお届けするため、原料選定ならびに製品設計といった開発 段階での「設計品質」と、製造段階における「製造品質」の2つをピジョン・クオリティの骨格とし、これら2つの品質向上を図って います。これら2つの品質向上に向けた取り組みは、国際規格ISO9001に沿ってプロセス管理されており、6ヵ月ごとに見直しを 行っています。また、製品の販売後も、お客様から寄せられた声などを共有し、製品の改良や生産工程の改善につなげています。

品質保証体制

ピジョンの安全基準(安全なものづくりのために)

ピジョンの「設計品質」
ピジョンでは、当社製品のこだわりを具現化する重要な概念として、ピジョンの製品が存在する意味を明文化し、それを実現する要件をPigeon Design Philosophy(設計思想)として知見を蓄積するとともに、製品の安全性・使いやすさ・耐久性といったピジョン独自の評価基準をPQS(Pigeon Quality Standard)として制定し、これらをグローバルに適用することで、各国で作られる製品の設計品質の維持・向上に努めています。製品の開発段階から、安全であることが確認された原料のみを選定して使用し、開発設計段階では、デザインレビューやさまざまな生活シーンにおける広範囲なリスクを想定した検証(ネガティブチェック)などの社内レビューシステムを通じて、製品使用時に起こりうる不具合、ケガ・事故などのリスクを事前に予測・分析し、これらを未然に防げるよう、設計に反映しています。また、開発品がお客様のニーズにお応えできる品質に仕上がっているか、改善すべき点はないかを試用モニターテストを通じて確認し、設計品質の評価・検証を行っています。


ピジョンの「製造品質」
製品の製造は、各生産工場の製造設備や生産環境など、ピジョンが設定した独自の基準である PPM(Pigeon Productive Management)を満たした工場にて行います。生産工場では定期的にさまざまな角度からチェックをするQA(品質保証)監査に加 え、各国におけるGMP(適正製造規範)に準拠することで、安定的な品質の実現に努めています。生産される製品は、材料の受け入 れ検査から生産中の工程検査、最終製品の出荷検査を経て合格したもののみが出荷される仕組みになっています。万が一、お客様 から製造由来の問題やご要望をいただいた場合、速やかに生産部門へとフィードバックし、製造工程の改良可否を検討します。

お客様の声をさらなる品質向上につなげる(お客様とのコミュニケーション)
ピジョンでは、発売した製品について、お客様の声や医療機関からのお問い合わせなどの市場情報を集約し、原料や製 品の安全性評価に反映させる体制を構築しています。万が一、安全性への懸念が生じれば、関連部門で検討会(カイゼン会議) を行い、原因解明と必要な対策を速やかに講じます。ピジョングループは、いつも消費者視点で製品を評価・検証し、常に安 全性を意識して、より高い品質を追求しています。

安全な原料を選定

ピジョンでは、いつの時代においても、お客様や赤ちゃんが安心できる、安全性が保証された原材料を採用することを原則としています。
また、生み出した製品が地球環境に与える影響を十分に理解し、赤ちゃんが健やかに過ごせる未来を守るため、環境負荷低減に配慮された原材料を積極的に採用しています。
そのために、行政や学界、関連業界との交流や情報収集を継続的に行っています。

哺乳器やおしゃぶりなどの製品

ピジョンでは、哺乳器やおしゃぶりなど赤ちゃんが使う製品の原材料を独自の高い安全性基準で厳選しています。

赤ちゃんは何でも口に入れたり、なめてしまう可能性があります。そこで、食具やおしゃぶりなどの直接口に入る製品だけでなく、赤ちゃんがなめてしまう可能性がある製品はすべて、口に入る製品と同じ基準で材料の安全性を確認しています。
まず、材料の有害性*について、国内外で公表されている化学物質データベースなどを活用し、安全性を調査して原材料を選定します。その際には、プラスチックやゴムなど素材自体だけでなく、素材を構成している物質(モノマーや添加物)についても確認をしています。
次に、選定した原材料について、国際標準や販売国の国家規格に従って、外部機関で試験を実施し、適合したもののみを製品に採用しています。

このように、赤ちゃんに使う製品だからこそお客様に安心してお使いいただくために、厳しい基準をクリアした原材料だけを使用しています。

*発がん性、変異原性、生殖毒性、内分泌かく乱作用等

スキンケアやシャンプーなどの製品

スキンケア用品やおしりふき、衣類洗剤、洗浄・消毒用品等においては、商品を販売する国ごとの規制を遵守することはもちろん、使用する成分の安全性情報を社内外問わず広く収集し、かつその配合量や各商品の使用方法も加味して評価することで、商品の安全性を確保しています。
成分選定にあたっては、皮膚一次刺激性、感作性、眼刺激性など*有害性が無いことを確認するとともに、社内外の使用実績、これまで積み重ねた社内評価試験データ、論文や公的機関による報告書、データベースなどの社外情報も幅広く活用しながら、安全性上のリスクを調査・確認しています。
また工業原料には、キャリーオーバー成分**と呼ばれる、原料の品質を保持するための添加物が含まれる場合があります。当社ではキャリーオーバー成分についても組成を把握し、同様に安全性上のリスクを確認しています。

*有害性評価項目はこれらに限定することはなく、成分や商品の特性も考慮し調査・確認しています。
**キャリーオーバー成分とは、原料・成分の品質を保持するために添加される成分のことで、商品になった時には微量であるためその効能効果を発揮しない成分のことをいいます。例えば、成分の保存のために添加される防腐剤や酸化防止剤などが該当します。

製品設計と安全性確認

開発設計段階において、デザインレビューやさまざまな生活シーンにおける広範囲なリスクを想定した検証(ネガティブチェック)などの社内レビューシステムを通じて、製品使用時に起こりうる不具合、ケガ・事故などのリスクを事前に予測、分析し、これを未然に防げるよう、設計に反映しています。
また、開発品がお客様のニーズにお応えできる品質に仕上がっているか、改善すべき点はないかを試用モニターテストで設計品質の評価・検証を行っています。

哺乳器やおしゃぶりなどの製品

製品の安全性確認のために、開発工程において独自の社内レビューシステム(デザインレビューなど)や競合品や類似製品との比較分析、試用モニターテストを実施することにより、製品おける不具合発生の未然防止対策や使用感について複眼的、客観的に評価しています。前述のPQSに沿った製品設計をグローバルに適用することで、世界各国で販売される製品の設計品質の維持・向上に努めています。

スキンケアやシャンプーなどの製品

製品の安全性を確認する上で、販売地域ごとの状況に配慮しながら、細胞や皮膚モデルを使った試験、ヒトの肌につけて確認する試験(ヒトパッチテスト)、有害成分が含まれないことを確認する成分分析、時間が経つことによる性質の変化を確認する経時試験など、さまざまな評価試験を行っています。このほかに、開発工程における独自の社内レビューシステム(デザインレビューなど)を通じて、これまでのお客様の問い合わせ内容を反映するほか、試用モニターテストにより機能の検証や改善点の抽出を行うことで製品の設計品質を確認しています。
また、化粧品(医薬部外品を含む)を人の皮膚に一定期間、繰り返し使用することで安全性を評価する試験は、被験者に治癒困難な健康被害を引き起こす恐れがある点で倫理的に問題があると考え、行っていません。

製品製造時

当社の定める製造環境を満たした工場にて製品が製造されます。生産工場では定期的にさまざまな角度からチェックをするQA(品質保証)監査を実施しており、常に工場の品質を保っています。
生産される製品は、材料の受入検査から生産中の工程検査、最終製品の出荷検査を経て合格したもののみが出荷される仕組みになっています。
万一、お客様から製造由来の問題や要望をいただいた場合、速やかに生産部門へフィードバックされ、製造工程の改良可否を検討します。

お客様とのコミュニケーション(製品発売後)

発売した製品について市場情報 (お客様の声や医療機関からの問い合わせ)を集約し、原料や製品の安全性評価に反映させることができる体制を構築しています。
万一、安全性に懸念を抱く点があれば、関連部門による検討会(カイゼン会議)を行い、原因解明と必要な対策を速やかに講じる体制をとっています。
いつも消費者視点で評価、検証し、安全性を常に意識した、より高いレベルの安全性と品質を維持していきます。

化学物質のリスク管理に対する考え方

化学物質は私たちの生活を豊かにし、便利で快適な生活をする上で欠かせないものとなっています。原材料、製品などいろいろな形で流通している化学物質は数万種類といわれています。化学物質の中には、環境や人の健康に影響を及ぼすおそれがあるものがあります。その化学物質のリスクの大きさは、化学物質が持つ有害性とその化学物質にさらされる量(暴露量)により決まります。


みなさまに製品を安心してご使用いただくために、ピジョンでは、関連法規制の遵守はもちろんのこと、独自の「品質管理原則」に基づき、化学物質リスクの低い原料選定を行っています。また、定期的な製品含有化学物質調査、工場での化学物質排出量管理、輸送時の安全性情報(SDS)の提供などの業務を通じて、化学物質管理を推進しています。

ピジョングループ 動物実験に対する方針

ピジョングループは、動物実験の廃止に向けた動きを、世界的かつ重要な要請と受け止め、動物実験廃止の実現に向けた取り組みを進めています。
よって、スキンケアの製品開発に際して、外部委託も含めて動物を用いた試験は行っていません。また、今後も行う予定はありません(*1)。
これまでの開発活動から得た、製剤および各成分の安全性に関する知見を活用するとともに動物実験代替法をはじめとする各種試験により、独自の基準でスキンケア製品の安全性確保を行っています。
なかでも、動物実験代替法については、国内外の業界団体、学会、他社などとも共同して情報収集を継続し、国際的な試験法ガイドラインに収載される信頼性の高い試験方法を積極的に採用していきます。

*1:万一、社会に対して安全性の説明責任が生じた場合や、一部の国において行政から求めれた場合を除きます。これらのケースで動物実験を行う場合には、愛護での3Rs(Replacement, Reduction, Refinement) の基本理念のもと、その実施は最小限にとどめます。

環境に配慮した新規原料や新規生産技術の構築を推進

新たな技術開発の拠点として、2022年2月より「Pigeon Tsukuba Engineering Center」が開設しました。
本施設の開設により、当社の生産技術と品質管理に関するナレッジを集約し、製品の更なる生産性の向上を図るとともに、環境に配慮した新規原料や、新規生産技術の検討などを積極的に推進します。またグローバルに点在する生産拠点とも生産現場の課題や改善活動の共有をタイムリーに行うと同時に、生産技術者の育成や生産技術のナレッジの蓄積をこれまで以上に強化し、環境負荷の削減に取り組みながら、新たな価値創造に取り組み、事業競争力と開発力の向上に努めていきます。