当社の社員全員が「Pigeon Way」を常に意識し日々活動しております。
その活動の成果は、社内で共有する取組みも実施しておりますが、 ここでは、当社社員の想いが込められた「My Pigeon Way Story」をいくつかご紹介いたします。
ストーリーを読む
『仕事がうまくいかない時の処方箋』
営業として「さく乳器リニューアルの商談」で取り組んだことを報告します。今年から、新たに大きな仕事を任された私は「失敗したくない」という思いから「まずはこれまでの流れを引き継いで…」という働き方をしていました。その結果、仕事がうまく進まなくなり、精神的にも落ち込んでしまい、どんどん消極的になる、という負の連鎖に陥っていました。
何か立ち直るきっかけが欲しいと感じていたタイミングで、新製品発売の時期がやってきました。私は社内説明会で新しいさく乳器を見たとき「なんて良い商品なんだ」と感動したのですが、当然商品の価格は上がります。どの小売業にとっても値上げは最も避けたいことであり、特に私の担当している企業は価格にシビアで、商談は難航することが予想できました。何かをきっかけに立ち直りたいと思っていた私は、成功するために必要なことを考え抜きました。たどり着いた答えは「私自身が感じた感動を伝えきる事」でした。
商談準備として、商品を使用されるお客様に関する資料、担当企業の売り場状況、商品の使い方、他社品との比較など、思いつく限りの事を調べ尽くしました。通常の商談は30分程度ですが、2時間の枠をもらい、現行品・競合品・新製品の実機を用意し、市場環境や商品の説明のために1時間以上話し続け、全ての説明を終えてから、価格の提案を行ったところ、担当企業のバイヤーの方から「良い商品だね、その価格帯で行こう」と言っていただけました。
この体験からの学びとして、うまく事が運ぶときというのは、熱意をもって、お客様目線で提案をしている時だと改めて感じました。裏を返せば、うまくいかない時ほど「行動原則に立ち返る」「価値観をもう一度確かめる」。Pigeon Wayは仕事がうまくいかないときの処方箋のようだな、と感じました。
第6次中期経営計画において成長性と収益性を叶えるためのヘルスケア・介護事業の新製品企画についてPigeon Wayの基本となる価値観「熱意」をもとにした取組みについてお伝えいたします。
私は、2年半もの間、ヘルスケア介護ワークショップを開催し、開発本部と連携して商品企画を進めてきた。介護現場の困り事やソリューションについて、現場視点を重視してテーマアップし、商品企画として大きく4つのテーマを掲げました。
介護施設向けの商品3つあります。1つ目は、介護度が進むとご自分で姿勢を保持することが難しくなりますが、そのような方々の姿勢保持を叶えると同時に、体の状態が変化しても長く使えることにより施設備品の効率的運用を実現する「車いすシリーズ」。2つ目は、様々な体格や姿勢の方でも食事がとり易くなると同時に、介護スタッフによる食事介助の負担が減る「個別昇降テーブル」。3つ目は、洗浄・保湿・保護のスキンケア3サイクルをオールインワンで叶える「おしり洗浄保湿液」。
そして、4つ目は在宅介護向けの商品です。在宅で介護をうけている要介護者の清潔な生活に貢献する為の誰でもかんたんに体ケアができる「看護師さんと考えた清潔ケアシリーズ」。その他にも、介護施設がおむつ替えの際に使う移動式カートなども同時発売を目指している。
苦労した企画・開発のプロセスを思い起こすと、最も下支えとなったのはPigeon Wayの基本となる価値観の「熱意」である。私たちは企画を実現するまで諦めない気持ちを持ち続け、より良い結果の為の工夫をし続けてきた。どのテーマも困難な問題が幾度も発生してきたが、その都度、自部署メンバーや開発担当者の知恵を借りて乗り越えてきている。例えば、付加価値となる機能構造の実現とコストの度重なる調整、コンセプト作成段階での思わぬモニター評価による修正、など。
また、ヘルスケア介護ワークショップは新しい試みだったため、当初、商品企画の役割分担が不明瞭であり、困惑・混乱が発生した。結果、各部署の想いを理解できなくなることもしばしば。しかし、話し合いを設けて一つずつ解決をしてきた。思い起こせば苦労はきりがないほどである。それでも、諦めずにこだわり続け、工夫し続け、ようやく2018年10月に流通発表の段階までこぎつけた。なによりも「熱意」。熱意に下支えされ、5つの行動原則に則って進めてきた結果である。
介護施設向けの商品「個別昇降テーブル」開発について、行動原則の「瞳の中にはいつも消費者」を意識して活動したことを振り返ります。
介護施設において、食事の場は入所者同士がコミュニケーションを取る為の貴重な機会であり、介護サービスの提供という点においても、「食事」は満足度や生活の質(QOL)に高い関連があり、食事支援は非常に重要な位置付けとなっています。
商品の企画・開発にあたり、ヘルスケア介護ワークショップを開催しましたが、そこでの議論を通じて、ヘルスケア・介護事業本部の取扱商品のうち、車いすと並んで「昇降テーブル」への問い合わせが増えているとの情報があり、担当メンバーで介護施設ヒアリングを行いました。その結果、現在、介護施設で使用されているテーブルは、一般的な4本足のタイプが殆どで、体格や身体の状態が異なる入所者が車いすに乗った状態でテーブルを利用していることが分かりました。この場合、例えば、ご自身の姿勢の影響により、配膳された食器の中が見えにくい状況から、本人が意図しない食べ残しに繋がっている事がお困りごととして浮かび上がってきました。また食堂のスペースが狭い場合は、テーブルの脚が邪魔になり、車いす利用者がテーブルへのアクセスに苦労している様子を確認することが出来ました。
ヘルスケア介護ワークショップでこれらのお困りごとを解決する為の議論を重ねた結果、「1本足の個別昇降テーブル」という解決策に辿り着くことができました。これはテーブルとしては世の中に無い、全く新しいコンセプトで、天板が個別に昇降することでテーブルを利用する方々の状態に合わせることができ、且つ支柱を中央部1本とすることで車いすでのアクセスを容易とするものです。これは日頃から意識している「瞳の中にはいつも消費者」の考え方が形になった成果です。開発にあたり、製品を生産して頂く協力メーカー探しにも奔走しました。ピジョンの品質基準をクリアし、なお且つ介護施設が購入しやすい価格を実現して頂けるメーカーを苦労の末に見つけ、新たなサプライチェーンを創ることができました。更にはこちらの熱意を生産協力メーカーへ伝えることで、新しいコンセプトの商品づくりに対し、機構アイデアを提案頂くなど非常に協力的に取り組んでいます。また、試作品への介護施設から評価として、食事支援に対する貢献度が高いという声を得ることができました。引き続き、ヘルスケア介護ワークショップメンバーと関係者で協力しながら、2019年の出荷開始へ向けてラストスパートを掛けて行きます。
インドにおける販売で自身と営業メンバーで体感した出来事について報告します。
インド南部のある州は、販売の潜在的な可能性を把握しながらも、中々当地を任せられる良い代理店と巡り合えず、攻略に苦戦していた。ある日営業マネージャーから紹介された代理店はお世辞にも近代的とは言えない、昔ながらの人柄と足で稼ぐタイプの会社だった。彼らは我々の戦略を理解し、当社の重点商品(哺乳びん、乳首、さく乳器等)をしっかり売りたいということで彼らとビジネスを開始することにした。
ビジネス開始後すぐに、代理店のオーナー兼社長と面談する機会があり、その際「当社の商品を通じてインドの育児を変えたいと思っている」という私の思いを熱意をもって説明した。彼らは、私の思いに共感し、一緒にビジネスを拡大していこうと固く合意した。この代理店オーナーは約束した売上目標を次々と達成し、私の熱意に対してしっかりとした熱意と結果をもって応えてくれた。
すると今度は当社営業員の熱意が高まり、苦戦していたのが嘘かのように新規配荷を獲得してくるようになった。面談時に聞いた私と代理店オーナーの話に耳を傾け、自分のできることに注力したのだという。結果、この代理店と当社営業員はどちらも、その年度で素晴らしい成果を残し、インドで実施した代理店会議で優秀代理店と優秀セールスマンとしてそれぞれ表彰された。インドではとかく、安く売れる商品を多数販売して利益を稼ぎ、メリットがなくなると、すぐに撤退するような代理店が多くあるのも事実だが、ビジネスを長い目で捉えて、熱意に対して熱意で返してくれる企業があることは私たちを勇気づけてくれた。このような活動を通じて、他の州の代理店、当社営業員のモチベーションを上げるきっかけにもなっている。
2017年3月から10月までの間、海外のピジョングループ会社の子会社化に関して法務担当者として業務にあたっていました。具体的には、株式譲渡契約、合弁契約、定款等の契約や法定書類の確認を行いました。私自身、企業再編の担当経験が十分とは言えず、また、加えてグローバルな領域で行うケースであったため、常に緊張感をもって対応していました。 そのような中でも、私が最も意識したのは誠実であることでした。企業再編手続きが滞りなく、間違いなく行えるようにサポートしなければならないと考えました。今回の対象国の法律に明るくなかったり、あまり長文の英文契約を見なれていなかったり、株式売買のスキームについては初めて見る言葉もあり、とまどうことも多かったです。その時々で、①まず何度も契約書等を読み込む、②その中でわからないことはまず自分で確認・調査する、③それでもわからないことはわかったふりをせず、「わからない。」「教えてください。」と海外のピジョングループ会社社員、経理財務部社員、顧問弁護士などの社内外のさまざまな人に素直に助けを求めながら進めていきました。
企業再編に関わる重要な契約書であったため、順調に契約交渉を進めることが難しい場面もありました。その際にも海外のピジョングループ会社社員からヒアリングし本当に譲れない契約等の条件はどこなのかを明確にした上で、win-winの精神も意識し、なるべく合併先にも納得いただける内容となるように、また、相手方と直接交渉する担当者にスムーズに交渉いただけるような説明のロジックを提案しました。 10月に無事に子会社化が完了したと担当者からご報告をいただいてホッとしました。グループ会社の子会社化は、自分自身法務担当者として「強い個人によるグローバルコラボレーション」を今の自分なりに体現できた出来事でした。
毎年の新卒採用活動では、約30校程の学内セミナーに出展し、1000名以上の学生さんとお会いします。当社に関心をもってもらい、エントリーして頂くための非常に重要な活動です。
この学内セミナーにおいて、私がいつも心がけていることがあります。それは、「学生さんと対話する時は、納得頂くまで時間をかけてお話する」ということです。それが、Pigeon Wayの「基本となる価値観」の一つである「誠実さ」を体現するものだと考えているからです。
12月頃、ある学内セミナーの終了後、一人の女子学生から質問を受けました。その日の会社説明を聞いてピジョンに関心をもってくれたとのことでした。途中から就職活動の相談へと変わり、「ピジョンさんはグローバル企業だから、英語ができないと難しいですよね。私、英語はあまり得意ではなくて。」 話を伺っていると、その学生さんは研究や部活に一生懸命取り組んでいる様子でした。ピジョンが語学力だけを重視して選考していることは一切なく、私達はその人の内面をしつかり見る選考であることを説明しました。最後に、苦手に感じている語学力を重視したり、語学力だけで選考される会社で自分を無理によく見せようとするよりも、もっと自分自身のことを見てくれる会社、あなたの一番輝いているところを見てくれる会社を受けてくださいとお伝えしました。すると、目に大粒の涙が・・・。本格的にはじまる就職活動を前に非常に不安だったそうで、とても勇気付けられたと言ってくれました。その学生さんが納得のいく就職活動をして欲しいと思い、会場を後にしました。
それから4ヶ月後。会社説明会の終了後、一人の女子学生が私に声をかけてくれました。見覚えがあるその子は、12月の学内セミナーで出会った女子学生でした。その学生さん曰く、「学内セミナーでご相談させて頂いた際、どのように就職活動を進めていったらよいか迷っていましたが、アドバイスを頂き、自分の就職活動の方向性が決まり、自信をもつことができました。この後の選考に残れなくても、今日は御礼だけでもお伝えしたいと思って参加しました。」と話してくれました。
今度は私が泣きそうになりましたが、グッとこらえて御礼を言いました。自分の担当する仕事で、人を勇気づけることができる採用という仕事にやりがいと誇りを感じました。