コーポレート・ガバナンス

基本的な考え方

Pigeon DNA と Pigeon Way

経営理念「愛」と社是「愛を生むは愛のみ」は、ピジョンの核であり、この先もピジョンという企業体が「社会になくてはならない存在」として存続し続ける限り、ピジョンを構成するピジョングループの社員ないし役職員が、不変なものとしてこの先も貫いていくもので、Pigeon のDNAであるといえます。
そして、存在意義「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」と、その実現のために社員ないし役職員全員が大切にすべき「基本となる価値観」と「行動原則」を併せて、ピジョングループ全ての社員ないし役職員の“心”と“行動”の拠り所であり、全ての活動の基本となる考え方である「Pigeon Way」としています。
当社は、経営理念、社是を、従前のPigeon Wayから、上位概念である「Pigeon DNA」として位置づけ、存在意義をPigeon Wayの軸に据え、その実現に向けて事業活動を牽引していきます。Pigeon DNA、Pigeon Wayについては、各々以下のとおり定めています。

重要課題の設定

「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」というピジョンの「存在意義」は、ピジョングループの社員ないし役職員の努力のみで実現できるものではなく、お客様・取引先・株主の皆様・地域社会等の外部のステークホルダーとの協働があって初めて実現できるものです。そして、「存在意義」を実現することによって、我々が「社会になくてはならない存在」として世の中で認知され存続することができるだけでなく、ステークホルダー等との共存の基礎となる持続可能な社会の創出ないし実現に貢献することができるものと信じています。
この意味において、我々の根本にあるPigeon DNAとPigeon Way、当社が対応すべき社会課題・環境課題とこれを解決することで目指すべき未来像は、ピジョングループの社員ないし役職員だけでなく、お客様・取引先・株主の皆様・地域社会等の外部のステークホルダーとも共有されていなければなりません。
そこで、当社は、「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」というピジョンの「存在意義」を実現する過程において解決し実現しなければならない課題として、我々が全てのステークホルダーと「同じ考え方」を共有すべく、以下の5つの重要課題を設定しました。

ピジョンのコーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方

当社のコーポレート・ガバナンスは、Pigeon DNAやPigeon Wayに則ったもので、重要課題の解決・実現に向けられたものであり、持続可能な社会の創出・実現に貢献するものであり、そして究極は、「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」という「存在意義」の実現に向けられたものでなければなりません。
このような考えのもと、当社のコーポレート・ガバナンスを、①攻めのガバナンス=ピジョングループとしての持続的成長と中長期的な企業価値(社会価値および経済価値)の向上、重要課題の解決・実現ひいては「存在意義」の実現を図るべく、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みであり、かつ、②守りのガバナンス=ピジョングループとしての持続的成長の阻害または企業価値の毀損、重要課題の解決・実現ないし「存在意義」の実現の障害となる要因の予防または迅速な除去を行うべく、適時の情報収集・共有、検討・検証を通じたリスクコントロールを行うための仕組みであると定義付けます。
当社は、これらの仕組みを継続的に強化することによって、コーポレート・ガバナンスの更なる充実、企業価値の向上、ひいては持続可能な社会の創出・実現への貢献、そして、「存在意義」の実現を目指してまいります。

コーポレート・ガバナンス組織図

コーポレート・ガバナンス報告書

コーポレート・ガバナンス体制の概要

当社は、監査役会設置会社制度を採用し、監査役による厳格な適法性監査をコンプライアンス経営の基礎としています。現在の主たる経営体制(会議体)は、独立社外取締役5名を含む9名(男性6名、女性3名/日本国籍8名、外国籍1名)で構成される取締役会、社外監査役2名を含む4名(男性3名、女性1名/日本国籍4名)で構成される監査役会、代表取締役社長を議長とし常勤取締役および上級執行役員で構成される経営会議であり、各会議体の構成員のダイバーシティ拡充にも努めています。また、当社は委任型執行役員制度を導入し、経営の意思決定・監督(ガバナンス)と業務執行との相互連携および取締役の業務執行責任の明確化を図っています。
取締役会は、取締役および執行役員の職務の執行を監督する権限のもと、法令、定款および取締役会規程に定めた事項(経営目標、経営戦略など重要な事業執行戦略)についての決定を行っています。同会では、従前から社外取締役および監査役の活発な意見を引き出す運営を行っていましたが、2023年3月より独立社外取締役が取締役会議長となることによって、取締役会の監督機能を一層強化しています。なお、取締役会とは別の機会として、各取締役および監査役間における当社グループに関する情報の非対称性を解消し、中長期的な視点で当社グループの経営課題・経営戦略等について議論することを目的とした「未来戦略会議」も年2回設定しています。また、取締役会の諮問機関として、委員長および委員の過半数が独立社外取締役である任意の指名委員会および報酬委員会に加え、当社を中心とした当社グループにおけるコーポレート・ガバナンスのさらなる強化を目的として独立社外取締役を委員長とし、委員の過半数を社外役員とするガバナンス委員会も設置し、活動しています。
監査役は、取締役会だけでなく、現場に立脚した視点に基づく課題の早期解決を目的とする経営会議にも出席し、意見を述べるなど監督機能の充実に努め、かつ、監査の方針、業務の分担等に従い、取締役からの聴取や重要決議書類等の閲覧、業務および財産の状況の調査等により、厳正な監査を実施しています。また、代表取締役社長と定期的にミーティングを行い、会社の重要な課題等についての報告を受けるとともに率直な意見交換も行っています。
以上のとおり、当社は、取締役会と監査役会を中心とする現在の経営形態のもと、社外取締役を選任・増員することで取締役会の多様性を拡充させ、2023年3月からは取締役会議長を独立社外取締役とすることによって取締役会の監督機能を強化する他、取締役会の諮問機関の設置および監査役の積極的な監督機能の発揮を通じて、コーポレート・ガバナンスの向上を図っています。

役員

役員一覧

スキルマトリクス

表中の「取締役会に求められる専門性」の設定経緯・ストーリーはコチラをご確認ください。

  氏名 地位 取締役会に求められる専門性(※1) 委員会委員
◎委員長 〇委員
経営・
事業戦略
当社事業・
業界経験
グローバル
ビジネス
デザイン・
研究開発・
商品開発
SCM
(※2)
マーケティング・
ブランディング
人的資本・
企業文化
財務・
会計
法務・
コンプライアンス・
リスクマネジメント
社会
課題
解決
指名 報酬 ガバナンス
取締役 北澤 憲政 代表取締役社長          
板倉 正 取締役専務執行役員          
Kevin Vyse-Peacock 取締役上席執行役員                
矢野 亮 取締役上席執行役員              
鳩山 玲人 社外取締役 独立※4
兼取締役会議長
             
林 千晶 社外取締役 独立※4            
山口 絵理子 社外取締役 独立※4              
三和 裕美子 社外取締役 独立※4                
永岡 英則※3 社外取締役 独立※4              
監査役 西本 浩 常勤監査役                      
石上 光志 常勤監査役                    
大津 広一 社外監査役 独立※4                    
太子堂 厚子 社外監査役 独立※5                    

※1 各人が有する主要な専門性を最大5つまで記載しています。
※2 SCM:サプライチェーンマネジメント
※3 2024年3月28日開催の第67期定時株主総会において選任され、就任いたしました。
※4 東京証券取引所の定めに基づく独立役員
※5 東京証券取引所の定める独立役員の要件を満たしている独立役員

取締役会、監査役会、委員会出席メンバーおよび出席状況

取締役会の実効性評価

当社では、取締役会およびガバナンスの実効性を強化するため、毎年取締役会の実効性評価を実施しております。

2023年度の実効性評価および分析の方法

【実施時期】2023年10月~11月

【回答者】取締役および監査役(計13名)

【プロセス】
【プロセス】

【質問事項(大項目)】

① 取締役会の役割・機能 ⑤ 社外取締役への活躍機会提供
②取締役会の構成・規模 ⑥ 株主•投資家とのエンゲージメント
③ 取締役会の運営 ⑦ 諮問機関(任意の指名委員会・報酬委員会、ガバナンス委員会)
④ 監査機関との連携

① 取締役会の役割・機能
②取締役会の構成・規模
③ 取締役会の運営
④ 監査機関との連携 ⑤ 社外取締役への活躍機会提供
⑥ 株主•投資家とのエンゲージメント
⑦ 諮問機関(任意の指名委員会・報酬委員会、ガバナンス委員会)

2022年度の課題・取り組み内容、2023年度の評価結果・課題および今後の取り組み

2022年度の課題

Pigeon Wayの存在意義を実現するために今後取り組むべき課題として、以下を設定

・重要課題(マテリアリティ)の議論および進捗確認を強化等取締役会における議論のさらなる活性化に向けた継続的な運営改善

2023年度の取り組み内容

以下を中心に、取締役会における議論のさらなる活性化に向けて運営改善に継続して取り組んだ

・重要課題(マテリアリティ)の中から2023年度の取締役会において議論すべきものを選定し、取締役会のスケジュールにおいて予め議題として設定し、議論した

・社外取締役が取締役会議長に就任したことを契機として、事前説明会の実施、一括審議の適用など取締役会運営の効率化を通じて、取締役会において議論できる時間を確保した

2023年度の評価結果・課題

当社の取締役会および諮問機関は、社外取締役を中心とした多様な専門性、価値観・視点を活かしたオープンかつ活発な議論を通じて適切な意思決定を行い、中長期的な企業価値向上に実効的な役割を果たしていることが確認できた

2022年度評価において認識した課題については、以下の通り、改善が進んでいることが確認できた

・重要課題(マテリアリティ)の中から、新規事業(事業ポートフォリオ)、人的資本/女性の起用、中国事業を議題として選択し、取締役会において議論および進捗確認等を行った。なお、中国事業については、中国出張(中国拠点の訪問等)も併せて行ったことによって、理解を深めた上で議論を行うことができた

・事前説明会の実施および一括審議の適用等を通じて、よりメリハリの効いた時間配分で取締役会を運営することができ、議論に時間が必要な議題について十分な時間を確保できるようになった

・社外取締役が取締役会議長に就任し、社内/社外役員から広く意見を聴くファシリテーションを行ったことによって、より活発な議論を行うことができた


当社の存在意義およびサステナブルな成長を実現するために今後取り組むべき課題として、以下が確認された

・取締役会におけるより高度な監督機能の発揮

・ステークホルダーとのより実りあるエンゲージメントの実現

・役員トレーニングの体系的な整理

今後(2024年度)の取り組み

中長期的な企業価値向上と持続的な成長を図るべく、取締役会の実効性の維持・向上のために、以下を中心に必要となる対応を継続的に検討し、取り組む

・取締役会におけるより高度な監督機能の発揮:

グループガバナンスをはじめ重要とする事項に関する確認・監督の強化

・ステークホルダーとのより実りあるエンゲージメントの実現:

「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請等を踏まえた情報開示のさらなる充実

・役員トレーニングの体系的な整理:

社内、社外、新任等の軸で役員トレーニングの整理、必要に応じた拡充

取締役会の実効性向上の取り組み

ガバナンス委員会

当社は、当社グループにおけるコーポレート・ガバナンスのさらなる強化のために、取締役会の諮問機関として、独立社外取締役を委員長とし、委員の過半数を社外役員とするガバナンス委員会を設置しています。同委員会においては、取締役会の実効性評価の実施等を通じて認識した当社グループにおけるコーポレート・ガバナンスにかかる様々な課題等について、有機的に連携・統合を促進し、かつ、主体的に実践するという観点で審議し、取締役会に対して助言・提言を行っています。なお、2023年度においては、人的資本に関する方針、考え方(開示内容含む)の検討、定款(事業目的)変更の検討、グローバルヘッドオフィスの機能発揮のフォローアップ、取締役会の実効性評価の実施(第三者による外部評価を含む実施方法の検討、結果の分析・検証、開示内容の検討)等を行いました。

任意の報酬委員会、役員報酬制度

当社では、役員報酬制度の内容の独立性・客観性・透明性を高めるために、取締役会の諮問機関として、委員長および委員の過半数を独立社外取締役とする任意の報酬委員会を設置しています。同委員会においては、役員報酬ガバナンスのあり方、役員報酬ポリシーにかかる修正要否、個人別の役員報酬水準(役位別の基準額)、賞与および株式報酬にかかる業績目標および評価テーブル、前事業年度の賞与および株式報酬にかかる業績評価および個人別支給額、中期経営計画や重要課題への取り組み状況、外部データ等を用いた役員報酬の水準・構成・指標等、外部環境や経営環境の変化に伴う役員報酬にかかる対応要否、任意の報酬委員会の実効性向上等につき審議し、取締役会に対して助言・提言を行っています。なお、2023年度においては、役員報酬ポリシーの修正検討、賞与および株式報酬にかかる業績目標および評価テーブルの確認、前事業年度の賞与および株式報酬にかかる業績評価および個人別支給額等の確認、賞与および株式報酬の重要課題指標にかかる進捗状況の確認、外部データ等を用いた役員報酬の水準・構成・指標等の確認、2024年度以降の役員報酬制度の検討等を行いました。
取締役(独立社外取締役を除く)の報酬は、役位に応じた「基本報酬」、短期インセンティブ報酬としての「賞与」および中長期インセンティブ報酬としての「株式報酬」で構成されます。一方、独立社外取締役および監査役の報酬は、「基本報酬」のみで構成されます。
なお、役員報酬等は、株主総会において決議された報酬等の上限の範囲内で支給します。
また、退職慰労金制度はありません。

任意の指名委員会、役員指名プロセス

当社では、取締役の選解任や指名の決定プロセスの独立性・客観性・透明性を高めるために、取締役会の諮問機関として、委員長および委員の過半数を独立社外取締役とする任意の指名委員会を設置しています。同委員会においては、取締役の選解任基準や最高経営責任者(CEO)の後継者計画等につき審議し、取締役会に対して助言・提言を行っています。なお、2023年度においては、役員指名ポリシーの修正検討、CEOの後継者計画の検証・実行、取締役候補者の検討、取締役の任期・在任期間の検討、取締役会議長の役割の検討、スキルマトリクスの改定検討、社外取締役の後継者計画の策定検討等を行いました。
役員指名ポリシーにおいて、CEOに求められる人材像を「『Pigeon DNA』および『Pigeon Way 』の価値観のもと人間力を磨き企業価値(社会価値および経済価値)を高め続けられる人材」とし、CEOの人材要件(責任・権限、主要職務・期待される成果、能力要件(行動特性、性格特性、経験・実績、知識・スキル))に加え、経営幹部・取締役・CEOの選解任基準、CEOの後継者計画、取締役の任期等を定めています。

内部統制

当社では、健全かつ効率的に組織を運営するために、会社法および会社法施行規則に基づき、内部統制システムの構築に関する基本方針を決定しており、この方針を基に内部統制システムを当社グループ全体を対象として整備し、運用しています。
内部監査部門として社長直轄の独立組織である監査室を設置しています。毎年、当社および国内外のグループ会社を対象としたリスクアプローチに基づく監査計画を立案し内部監査を実施しており、実施にあたっては、業務の有効性および効率性、財務報告の信頼性、コンプライアンス、資産の保全を主な観点とし、必要に応じた指摘、改善等の提言を行っています。監査結果は、監査報告会を開催するとともに、報告書をすべての取締役および監査役へ共有しています。さらに監査室では、J-SOX事務局を設け、金融商品取引法の財務報告に係る内部統制基本計画に基づき、全社的内部統制、決算財務プロセスについて評価テストを行い、整備と運用の適正性を監視しています。

内部統制システム基本方針