消費者志向自主宣言 活動報告(2023年)

ピジョングループは、「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」を存在意義として掲げ事業を展開しています。
2023年には、存在意義にある「赤ちゃんにやさしい場所」を具体的に6つの社会の姿で描いた「赤ちゃんにやさしい未来像」を策定しました。

赤ちゃんとご家族を取り巻く環境が大きく変化する中で、この先の未来を赤ちゃんにやさしい場所にしていくためには、社会はどうあるべきか、を考えたものです。
ピジョンはこの「赤ちゃんにやさしい未来像」の実現に向けて、社会に共感を広げ、多様なステークホルダーの皆様と共創し、活動することで、一歩ずつ前進していきます。

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みんなの声を聴き、かついかすこと

iF DESIGN AWARDの受賞

世界的なデザイン賞「iF DESIGN AWARD 2023」(主催: iF International Forum Design GmbH)を[Bonyujikkan Nursing Bottle, Nipple /母乳実感®哺乳びん・乳首]、[Pigeon Breast Pump handy fit+/母乳アシスト さく乳器 電動handy fit+]、[Disposable Feeding Cup for Emergency/災害用授乳カップ]の3商品が受賞しました。

  • iF DESIGN AWARD

グッドデザイン賞の受賞

2023年のグッドデザイン賞(主催: 公益財団法人日本デザイン振興会)に「ベビー用食具(スプーン&フォーク)じぶんでつかえる スプーン&フォークシリーズ」が受賞しました。

キッズデザイン賞の受賞

2023年のキッズデザイン賞(主催:特定非営利活動法人キッズデザイン協議会) に、「電動鼻吸い器 SHUPOT」 「哺乳びんスチーム除菌・乾燥器 POCHItto」 「洗える除菌料ミルクポンW」 書籍「ピジョンの子育て 育児用品ブランドの社員たちが本気で悩み、考え、奮闘した育児の話」の 4商品が受賞しました。

助産師の乳房マッサージやさく乳器の力学的作用を明らかにし、母乳育児の支援へ

有限要素法によるシミュレーションを用いた研究において、実際には測定することが困難な乳房全体の力学的作用を3次元的に可視化したことで、助産師による乳房マッサージや、さく乳器の使用が、授乳中の母親の乳房に対して及ぼす力学的作用を初めて明らかにしました。その結果、母乳の排出に関与する可能性がある乳房の各部位への作用が示唆されました。

授乳に関してはさまざまな状況で、直接授乳が難しい場合があります。そのような場合でもさく乳により母乳分泌を維持し、さく乳した母乳を赤ちゃんに与えることで母乳育児を継続することができます。今後もこのような研究を重ねることで、さく乳器の研究開発や母乳育児支援に繋がる情報提供に活用し、母乳育児の支援を続けていきます。

 

引張ひずみ

圧縮ひずみ

助産師
乳房マッサージ
押し終わり
(1.8秒)

さく乳器
-30kPa条件

乳房マッサージおよびさく乳器による乳房の引張、圧縮ひずみ状態*

* 落合 志文, 岸 千尋, 出井 陽子, 佐橋 直樹, 助産師の乳房マッサージおよび搾乳器が乳房に及ぼす力学的作用, 看護理工学会誌, 2022-2023, 10 巻, p. 157-167より一部転載

思い出の詰まった哺乳びんが、形を変えてずっと使える母乳実感パーツ

哺乳びんを持つ方の多くが、お子様が使い終わった後も大切な思い出として哺乳びんを残したい、と考えていることがわかりました。
そこで、思い出の品を日常使いできるよう、またモノを大切にするママ・パパの気持ちに応えるべく、哺乳びんに取り付けて、おうちでのストローのみができる「母乳実感パーツ ストロー」、哺乳びんを小物入れ等に活用できる「母乳実感パーツ ふた」を開発しました。
どちらもシンプルなデザインで飽きることなく、長くお使いいただけます。

お客様の声を活かした商品改善への取り組み

お客様の商品に対するご意見・ご要望は、苦情対応マネジメントシステムに則り、毎月の「カイゼン会議」において、商品開発部門、品質管理部門、お客様相談室で検討し、商品の改善につなげています。WEB会議も活用し、2023年度の具体的な改善に結びついた件数は、13件でした。

未来・次世代のために取り組むこと

「赤ちゃんを知る授業~赤ちゃんにやさしい未来のために~」が
文部科学省主催令和5年度「青少年の体験活動推進企業表彰」奨励賞を受賞

本表彰は、社会貢献活動の一環として青少年の体験活動に関する優れた取り組みを行っている企業を表彰し、全国に広く紹介することにより、青少年の体験活動の機会の推進を図ることを目的としたものです。

当社は、赤ちゃんにやさしい未来を実現するために、社会全体で考え行動に繋げる取り組みの一環として、日本全国の中学生に向けて教育プログラム「赤ちゃんを知る授業~赤ちゃんにやさしい未来のために~」を提供しています。
日本では出産育児を取り巻く環境が厳しく、お父さんやお母さんの中には「周囲から育児に対して理解を得られていない」と悩む人がいます。その要因のひとつとして、核家族化や少子高齢化により、幼い頃から赤ちゃんを見たり触れたりする機会が減っていることが考えられます。
この取り組みでは、中学生に赤ちゃんへの興味・関心を持ってもらい、社会の一員として自らできることを考え、行動につなげる教育プログラムを提供しています。2023年12月末までに約300校、約27,000人の学生に本授業を受けていただきました。

イベント「#ちいさな産声サポートプロジェクト展~知ってほしい、小さく早く生まれた赤ちゃん家族の物語~」 を実施

11月17日の世界早産児デーに合わせ、11月16日・17日に、掲題のイベントを東京・池袋サンシャインシティ噴水広場にて開催しました。 早産児とは、在胎37週未満で出生した赤ちゃんのことを言い※1、日本では約20人に1人が早産児として生まれています。早産児は低体重で生まれることも多くあります。
お子様が早産で生まれたことで、不安や悩みを抱えている早産児ご家族は9割を超えています。しかし早産児や低出生体重児のご家族が抱える具体的な課題については、当事者ご家族以外にはまだあまり知られておりません。
イベントでは、小児科医師や臨床心理士と早産を経験したご家族とのトークセッション、小さな赤ちゃんのおむつ交換、お世話体験、写真展など、一般の方に早産児とそのご家族の状況を身近に感じ、理解を深めていただけるようにしました。
また、イベントに際し、早産児ご家族と早産経験がないご家族を対象にしたアンケートを、日本NICU家族会機構(JOIN)と共同で実施しました※2。

※1 正期産は妊娠37週0日~41週6日での出産。
※2 早産児ご家族を対象とした調査はピジョンと日本NICU家族会機構(JOIN)の共同で、早産経験がないご家族を対象とした調査はピジョンで実施。

商品売上の一部を「日本母乳バンク協会」に寄付する『母乳バンク寄付キャンペーン』をアカチャンホンポ全店で実施 

2020年より、一般社団法人日本母乳バンク協会(以下略:日本母乳バンク協会)の活動に賛同し、支援を開始いたしました。支援の一環として、商品の売上の一部を日本母乳バンク協会に寄付するキャンペーンを4年連続で実施、2022年までの寄付総額は10,017,950円となりました。

2023年は、株式会社赤ちゃん本舗の協力を得て、全国のアカチャンホンポとアカチャンホンポオンラインショップにて4月28日~6月29日、10月13日~12月31日の期間、ご購入いただいたキャンペーン対象商品1個につき10円を当社から日本母乳バンク協会へ寄付いたしました。
集まった寄付金は、小さく生まれた赤ちゃんに安全なドナーミルクを提供するための母乳の低温殺菌や検査、ドナーミルクの発送などの費用に充てられます。

  • 母乳バンク寄付キャンペーン

「しあわせ授乳期サポートBOOK」を産後うつやパパの育児など子育て環境の変化に合わせ全面リニューアル

「しあわせ授乳期サポートBOOK」は授乳や育児の戸惑いを減らし、授乳期をより幸せに過ごしてもらうことを目的にした冊子で、2015年より全国の病産院や保健センター、自治体を通してママやパパ、プレママ・プレパパヘ配布を開始し、2023年度は年間16万部を無償配布しました。
今回のリニューアルでは、コロナ禍の影響でママの産後うつが増加傾向にあることを踏まえ、「産後のママのこころの健康」について内容を充実させたほか、育児に積極的に取り組むパパが増えていることや、育児介護休業法改正により、パパが家事育児を行う時間が増えていることを受け、パパの育児に関する情報提供も強化しました。
本冊子は、いつでもどなたでも無償で、以下のリンク先からダウンロ― ドいただけます。

夜泣き・寝かしつけサポートアプリ「Lullaby(ララバイ)」を活用した、妊娠・子育て期における「睡眠」のお困りごと解決に向けた取り組み

赤ちゃんの「睡眠」が、ママやパパの大きな悩みの1つになっている現状を踏まえ、 Moon Creative Lab(ムーンクリエイティブラボ、以下Moon社)と業務提携し、Moon社が提供する乳幼児の夜泣き・寝かしつけをサポートするアプリ「Lullaby(ララバイ)」を活用した、妊娠・子育て期における睡眠のお困りごとを解決するための商品やサービスの共同開発に取り組んでいます。
2023年7月からは、親子の睡眠に対する保健指導に取り組みたいと考えている自治体に向け、「Lullaby(ララバイ)」の活用、睡眠セミナー、コンサルタントによる少人数相談会、個別相談の4要素を基本構成とした自治体向け「ねんね改善パック」を開発し、12月まで全国5自治体で導入実験を実施しました。その結果、赤ちゃんの総睡眠時間の増加、赤ちゃんの睡眠に関する親の満足度向上などを確認しました。本結果をふまえ、当社とMoon社では、2024年2月より自治体向け新プラン『子育て伴走型支援プラン』の提供を開始しています。

「あかちゃんの防災」、あかちゃんとそなえの輪推進プロジェクト

どんなときも赤ちゃんを守り、赤ちゃんにやさしい場所をつくり続けるために、災害に備えられるベビー用品の開発や情報提供を行っています。また、同じ想いであかちゃんの防災に取り組む自治体や専門家の方々、企業と共同し、赤ちゃんにやさしいまちづくりを進める取り組み「あかちゃんとそなえの輪」には、2023年末時点で全国34自治体に賛同を頂いております。

2023年8月には、防災研究員や自治体職員の方々のご協力を得て「赤ちゃんの防災勉強会」を実施しました。災害時に特に支援を要する「要配慮者」となりうる「妊産婦」や「乳幼児に」着目し、支援にあたるうえで重要になる基本的な認識や、具体的な備えの方法と自治体の取り組み事例について発表いただきました。

また、株式会社明治と共同で、災害時にもすぐに赤ちゃんにミルクを与えられる自治体向け乳児用液体ミルクセット「明治ほほえみ らくらくミルクピジョン母乳実感防災セット」を、2023年9月1日防災の日より販売開始しました。

これからも、どんなときでも赤ちゃんの笑顔を守るためのソナエを、同じ想いで取り組む自治体や企業、団体と協力し進めてまいります。

道の駅 常陸大宮~かわプラザ~「ピジョンの広場」が完成

誰もが安心して子どもを産み育てることができる社会の実現の一助となることを目指し、「企業版ふるさと納税」を活用して、茨城県常陸大宮市に2021年から2023年の3年間、毎年1000万円の寄付をいたしました。この寄付金を活用して、2023年5月、同市内の「道の駅 常陸大宮~かわプラザ~」に「ピジョンの広場」が完成しました。
「ピジョンの広場」は、小さなお子様や車いす利用のお子様など、さまざまな方が分け隔てなく遊ぶことができるように安全面と楽しさにこだわった遊具が設置されています。

  • 「ピジョンの広場」完成セレモニーの様子

  • 企業版ふるさと納税を活用し開設された「ピジョンの広場」

ピジョン赤ちゃん誕生記念育樹キャンペーン

当社は、「育児と育樹、心はひとつ」というスローガンのもと、次世代を担う赤ちゃんのための環境づくりの一環として、1986年からこのキャンペーンを継続して実施しています。植樹式に参加されたご家族の中には、過去の植樹式にお子さまとして参加され、今回、親として、お子さまを連れて参加された方もいらっしゃいました。これまで約22 万人以上の赤ちゃんにご応募いただき、累計およそ15万7,000本を植樹しています。

(2023年12月時点)

企業主導型ボランティア活動

企業が社員に対してボランティア活動を紹介し、参加希望者を募って実施するボランティア活動です。2021年に活動を開始し、2023年は赤ちゃんとご家族、地域社会、環境保全のための活動を実施し、計37名の社員が参加しました。

10月には特定非営利活動法人キープ・ママ・スマイリングの協力のもと、病気の子どもを育てるお母さんとご家族のために、メッセージカードを添えた商品のラッピングを実施し、寄贈商品を病院にお届けしました。また12月には認定特定非営利活動法人 おもちゃの図書館全国連絡会の協力のもと「荒川おもちゃ図書館子育て交流サロン」にて、おもちゃ図書館の開館準備やおもちゃの消毒・清掃、手作りおもちゃの寄贈などを行いました。

法令を遵守・コーポレートガバナンスの強化をすること

コンプライアンス教育の実施

2023年は、内部通報制度およびコンプライアンスポリシーを重点的に取り上げて、コンプライアンス研修を実施しました。具体的には、当社グループのすべての社員に対して、独自の資料に基づいて2023年から導入した内部通報制度のシステムの利用方法についての説明およびケーススタディを用いたコンプライアンスポリシーの解説を行いました。研修後には受講者へのアンケートを行い、教育・研修内容の改善に活かしています。加えて、当社および国内グループ全社の社員に内部通報制度およびコンプライアンスポリシーをテーマとして「ピジョンコンプライアンス通信」を月1回配信し、社員が日常業務において身につけておくべきコンプライアンスの浸透を図りました。

マネジメントレビューの開催

2023年も「マネジメントレビュー」を6月、12月の2回開催し、「お客様のお声」を社長と経営層に報告し、課題について議論しました。お客様対応の音声を全員で聴き、お客様の視点・感覚を踏まえ課題を議論、次年度の活動目標に反映しています。

  • マネジメントレビュー