『仕事がうまくいかない時の処方箋』
営業として「さく乳器リニューアルの商談」で取り組んだことを報告します。今年から、新たに大きな仕事を任された私は「失敗したくない」という思いから「まずはこれまでの流れを引き継いで…」という働き方をしていました。その結果、仕事がうまく進まなくなり、精神的にも落ち込んでしまい、どんどん消極的になる、という負の連鎖に陥っていました。
何か立ち直るきっかけが欲しいと感じていたタイミングで、新製品発売の時期がやってきました。私は社内説明会で新しいさく乳器を見たとき「なんて良い商品なんだ」と感動したのですが、当然商品の価格は上がります。どの小売業にとっても値上げは最も避けたいことであり、特に私の担当している企業は価格にシビアで、商談は難航することが予想できました。何かをきっかけに立ち直りたいと思っていた私は、成功するために必要なことを考え抜きました。たどり着いた答えは「私自身が感じた感動を伝えきる事」でした。
商談準備として、商品を使用されるお客様に関する資料、担当企業の売り場状況、商品の使い方、他社品との比較など、思いつく限りの事を調べ尽くしました。通常の商談は30分程度ですが、2時間の枠をもらい、現行品・競合品・新製品の実機を用意し、市場環境や商品の説明のために1時間以上話し続け、全ての説明を終えてから、価格の提案を行ったところ、担当企業のバイヤーの方から「良い商品だね、その価格帯で行こう」と言っていただけました。
この体験からの学びとして、うまく事が運ぶときというのは、熱意をもって、お客様目線で提案をしている時だと改めて感じました。裏を返せば、うまくいかない時ほど「行動原則に立ち返る」「価値観をもう一度確かめる」。Pigeon Wayは仕事がうまくいかないときの処方箋のようだな、と感じました。
第6次中期経営計画において成長性と収益性を叶えるためのヘルスケア・介護事業の新製品企画についてPigeon Wayの基本となる価値観「熱意」をもとにした取組みについてお伝えいたします。
私は、2年半もの間、ヘルスケア介護ワークショップを開催し、開発本部と連携して商品企画を進めてきた。介護現場の困り事やソリューションについて、現場視点を重視してテーマアップし、商品企画として大きく4つのテーマを掲げました。
介護施設向けの商品3つあります。1つ目は、介護度が進むとご自分で姿勢を保持することが難しくなりますが、そのような方々の姿勢保持を叶えると同時に、体の状態が変化しても長く使えることにより施設備品の効率的運用を実現する「車いすシリーズ」。2つ目は、様々な体格や姿勢の方でも食事がとり易くなると同時に、介護スタッフによる食事介助の負担が減る「個別昇降テーブル」。3つ目は、洗浄・保湿・保護のスキンケア3サイクルをオールインワンで叶える「おしり洗浄保湿液」。
そして、4つ目は在宅介護向けの商品です。在宅で介護をうけている要介護者の清潔な生活に貢献する為の誰でもかんたんに体ケアができる「看護師さんと考えた清潔ケアシリーズ」。その他にも、介護施設がおむつ替えの際に使う移動式カートなども同時発売を目指している。
苦労した企画・開発のプロセスを思い起こすと、最も下支えとなったのはPigeon Wayの基本となる価値観の「熱意」である。私たちは企画を実現するまで諦めない気持ちを持ち続け、より良い結果の為の工夫をし続けてきた。どのテーマも困難な問題が幾度も発生してきたが、その都度、自部署メンバーや開発担当者の知恵を借りて乗り越えてきている。例えば、付加価値となる機能構造の実現とコストの度重なる調整、コンセプト作成段階での思わぬモニター評価による修正、など。
また、ヘルスケア介護ワークショップは新しい試みだったため、当初、商品企画の役割分担が不明瞭であり、困惑・混乱が発生した。結果、各部署の想いを理解できなくなることもしばしば。しかし、話し合いを設けて一つずつ解決をしてきた。思い起こせば苦労はきりがないほどである。それでも、諦めずにこだわり続け、工夫し続け、ようやく2018年10月に流通発表の段階までこぎつけた。なによりも「熱意」。熱意に下支えされ、5つの行動原則に則って進めてきた結果である。
介護施設向けの商品「個別昇降テーブル」開発について、行動原則の「瞳の中にはいつも消費者」を意識して活動したことを振り返ります。
介護施設において、食事の場は入所者同士がコミュニケーションを取る為の貴重な機会であり、介護サービスの提供という点においても、「食事」は満足度や生活の質(QOL)に高い関連があり、食事支援は非常に重要な位置付けとなっています。
商品の企画・開発にあたり、ヘルスケア介護ワークショップを開催しましたが、そこでの議論を通じて、ヘルスケア・介護事業本部の取扱商品のうち、車いすと並んで「昇降テーブル」への問い合わせが増えているとの情報があり、担当メンバーで介護施設ヒアリングを行いました。その結果、現在、介護施設で使用されているテーブルは、一般的な4本足のタイプが殆どで、体格や身体の状態が異なる入所者が車いすに乗った状態でテーブルを利用していることが分かりました。この場合、例えば、ご自身の姿勢の影響により、配膳された食器の中が見えにくい状況から、本人が意図しない食べ残しに繋がっている事がお困りごととして浮かび上がってきました。また食堂のスペースが狭い場合は、テーブルの脚が邪魔になり、車いす利用者がテーブルへのアクセスに苦労している様子を確認することが出来ました。
ヘルスケア介護ワークショップでこれらのお困りごとを解決する為の議論を重ねた結果、「1本足の個別昇降テーブル」という解決策に辿り着くことができました。これはテーブルとしては世の中に無い、全く新しいコンセプトで、天板が個別に昇降することでテーブルを利用する方々の状態に合わせることができ、且つ支柱を中央部1本とすることで車いすでのアクセスを容易とするものです。これは日頃から意識している「瞳の中にはいつも消費者」の考え方が形になった成果です。開発にあたり、製品を生産して頂く協力メーカー探しにも奔走しました。ピジョンの品質基準をクリアし、なお且つ介護施設が購入しやすい価格を実現して頂けるメーカーを苦労の末に見つけ、新たなサプライチェーンを創ることができました。更にはこちらの熱意を生産協力メーカーへ伝えることで、新しいコンセプトの商品づくりに対し、機構アイデアを提案頂くなど非常に協力的に取り組んでいます。また、試作品への介護施設から評価として、食事支援に対する貢献度が高いという声を得ることができました。引き続き、ヘルスケア介護ワークショップメンバーと関係者で協力しながら、2019年の出荷開始へ向けてラストスパートを掛けて行きます。
インドにおける販売で自身と営業メンバーで体感した出来事について報告します。
インド南部のある州は、販売の潜在的な可能性を把握しながらも、中々当地を任せられる良い代理店と巡り合えず、攻略に苦戦していた。ある日営業マネージャーから紹介された代理店はお世辞にも近代的とは言えない、昔ながらの人柄と足で稼ぐタイプの会社だった。彼らは我々の戦略を理解し、当社の重点商品(哺乳びん、乳首、さく乳器等)をしっかり売りたいということで彼らとビジネスを開始することにした。
ビジネス開始後すぐに、代理店のオーナー兼社長と面談する機会があり、その際「当社の商品を通じてインドの育児を変えたいと思っている」という私の思いを熱意をもって説明した。彼らは、私の思いに共感し、一緒にビジネスを拡大していこうと固く合意した。この代理店オーナーは約束した売上目標を次々と達成し、私の熱意に対してしっかりとした熱意と結果をもって応えてくれた。
すると今度は当社営業員の熱意が高まり、苦戦していたのが嘘かのように新規配荷を獲得してくるようになった。面談時に聞いた私と代理店オーナーの話に耳を傾け、自分のできることに注力したのだという。結果、この代理店と当社営業員はどちらも、その年度で素晴らしい成果を残し、インドで実施した代理店会議で優秀代理店と優秀セールスマンとしてそれぞれ表彰された。インドではとかく、安く売れる商品を多数販売して利益を稼ぎ、メリットがなくなると、すぐに撤退するような代理店が多くあるのも事実だが、ビジネスを長い目で捉えて、熱意に対して熱意で返してくれる企業があることは私たちを勇気づけてくれた。このような活動を通じて、他の州の代理店、当社営業員のモチベーションを上げるきっかけにもなっている。
2017年3月から10月までの間、海外のピジョングループ会社の子会社化に関して法務担当者として業務にあたっていました。具体的には、株式譲渡契約、合弁契約、定款等の契約や法定書類の確認を行いました。私自身、企業再編の担当経験が十分とは言えず、また、加えてグローバルな領域で行うケースであったため、常に緊張感をもって対応していました。 そのような中でも、私が最も意識したのは誠実であることでした。企業再編手続きが滞りなく、間違いなく行えるようにサポートしなければならないと考えました。今回の対象国の法律に明るくなかったり、あまり長文の英文契約を見なれていなかったり、株式売買のスキームについては初めて見る言葉もあり、とまどうことも多かったです。その時々で、①まず何度も契約書等を読み込む、②その中でわからないことはまず自分で確認・調査する、③それでもわからないことはわかったふりをせず、「わからない。」「教えてください。」と海外のピジョングループ会社社員、経理財務部社員、顧問弁護士などの社内外のさまざまな人に素直に助けを求めながら進めていきました。
企業再編に関わる重要な契約書であったため、順調に契約交渉を進めることが難しい場面もありました。その際にも海外のピジョングループ会社社員からヒアリングし本当に譲れない契約等の条件はどこなのかを明確にした上で、win-winの精神も意識し、なるべく合併先にも納得いただける内容となるように、また、相手方と直接交渉する担当者にスムーズに交渉いただけるような説明のロジックを提案しました。 10月に無事に子会社化が完了したと担当者からご報告をいただいてホッとしました。グループ会社の子会社化は、自分自身法務担当者として「強い個人によるグローバルコラボレーション」を今の自分なりに体現できた出来事でした。
毎年の新卒採用活動では、約30校程の学内セミナーに出展し、1000名以上の学生さんとお会いします。当社に関心をもってもらい、エントリーして頂くための非常に重要な活動です。
この学内セミナーにおいて、私がいつも心がけていることがあります。それは、「学生さんと対話する時は、納得頂くまで時間をかけてお話する」ということです。それが、Pigeon Wayの「基本となる価値観」の一つである「誠実さ」を体現するものだと考えているからです。
12月頃、ある学内セミナーの終了後、一人の女子学生から質問を受けました。その日の会社説明を聞いてピジョンに関心をもってくれたとのことでした。途中から就職活動の相談へと変わり、「ピジョンさんはグローバル企業だから、英語ができないと難しいですよね。私、英語はあまり得意ではなくて。」 話を伺っていると、その学生さんは研究や部活に一生懸命取り組んでいる様子でした。ピジョンが語学力だけを重視して選考していることは一切なく、私達はその人の内面をしつかり見る選考であることを説明しました。最後に、苦手に感じている語学力を重視したり、語学力だけで選考される会社で自分を無理によく見せようとするよりも、もっと自分自身のことを見てくれる会社、あなたの一番輝いているところを見てくれる会社を受けてくださいとお伝えしました。すると、目に大粒の涙が・・・。本格的にはじまる就職活動を前に非常に不安だったそうで、とても勇気付けられたと言ってくれました。その学生さんが納得のいく就職活動をして欲しいと思い、会場を後にしました。
それから4ヶ月後。会社説明会の終了後、一人の女子学生が私に声をかけてくれました。見覚えがあるその子は、12月の学内セミナーで出会った女子学生でした。その学生さん曰く、「学内セミナーでご相談させて頂いた際、どのように就職活動を進めていったらよいか迷っていましたが、アドバイスを頂き、自分の就職活動の方向性が決まり、自信をもつことができました。この後の選考に残れなくても、今日は御礼だけでもお伝えしたいと思って参加しました。」と話してくれました。
今度は私が泣きそうになりましたが、グッとこらえて御礼を言いました。自分の担当する仕事で、人を勇気づけることができる採用という仕事にやりがいと誇りを感じました。
ピジョン中央研究所のデザイングループでは、2015年から「プロダクトデザインガイドライン」の制作に着手しています。私はこのプロジェクトを通じて、Pigeon Wayの行動原則「強い個人によるグローバルコラボレーション」を体感しました。
グローバルNo.1の育児用品メーカーを目指して、ピジョン製品のデザイン性を向上させることを主目的としたこのプロジェクトでは、中央研究所のパッケージグループ、ピジョン上海のプロダクトデザインチームと、私が所属する中央研究所のデザイングループが共同で、ガイドラインの作成を行いました。ピジョン製品のあるべき姿を描き、各国・各部署の商品パッケージの現状把握をし、皆が共通のルールのもとでデザインしつつ、各拠点で自由にデザインできる幅をもたせる、という理想の姿を実現できる環境づくりは非常に難しい課題でした。
新デザイン戦略の本格的始動に向け、2016年上半期ではガイドラインのまとめを行いました。概要をまとめている段階では各々が「あるべき姿」を共通で描けていましたが、実際にガイドラインとして具体的なルールを策定する段階になると、各々の市場の違いや市場におけるブランドの立ち位置の差が浮き彫りになり、結論がなかなか出ないことが多くありました。 言葉の壁や文化の違い、異なる業務内容、取扱う商品の違い等、お互いのシチュエーションを理解する為に、何度もTV会議やメール、部内打合せを繰り返しました。私たちはデザイナーなので、言葉で理解できない時はイラストやデザイン画も駆使し、互いの気持ちや主張を理解する努力を行いました。そして、ようやく出来上がったのが、新しい「プロダクトデザインガイドライン」です。
デザイングループで主になって動いてくれたOさんとJさん、パッケージグループのHさん、ピジョン上海のSHさんとSさん、そして開発推進部の総括をしてくださったYさんがプロジェクトには参加しました。それぞれが異なった立場と経験、しっかりした意見と主張を持っており、議論が偏ることなく、幅広い視野で語ることができたと考えます。本当に、誰か1人が欠けても、この内容にはならなかったと思います。
私はこの業務を通して「デザイン」という共通の立場からPigeon製品をよりよくするための努力を皆と行ったことで「強い個人によるグローバルコラボレーション」を体感することができました。
2016年に私が食品担当となって初めて世に送り出す新商品「赤ちゃんのぷちアイス」についてPigeon Wayの基本となる価値観「熱意」と行動原則「迅速さ」を持って、取り組んだことを報告します。
私が食品群を引き継いだ時は、ちょうど2017年春におやつ群が大きく変わるタイミングでした。主力のスナックおやつ「元気アップカルシウムシリーズ」に加え、「手づくりおやつシリーズ」も全面改廃が予定されていました。
一連の企画の中には、アイデアレベルの状態で未知の商品「アイス」がありました。赤ちゃん用のアイスは、過去に当社が手掛けたことがないばかりか、市場にも存在しないものでした。「そもそも売れるのか」という疑問に加え、「発表まで残り10ヵ月で間に合うのか」というドタバタの状態でもありました。
ただ私は元来新しいものが好きなこと、インパクトのある商品になるであろうことから、一念発起して開発担当のAさん・パッケージ担当のOさんと三人四脚を始めました。まず、取り掛かったのはコンセプトを固めることです。真新しい商品を「いかにわかりやすく語るか」「どのような商品として作り上げるか」を念頭において考えましたが、なかなか一本芯の通った内容にならず、何度も承認が下りず、企画を先に進めることができませんでした。しかし、3人で諦めずにプランを練り直した結果、4度目にようやく承認をもらうことができました。
そこからはスピードをもって巻き返しを図りました。フレーバーの選定、味や食感の確認、パッケージの作成とやることは多かったのですが、柱となるコンセプトがしっかり固まっていたため、試行錯誤しながらも期間内で商品を作り上げることができました。作り込みの段階では、関係者へ試作品の試食やパッケージの確認も、繰り返し積極的に行いました。
そして、いよいよお披露目のタイミングです。10月から実施した営業支店説明会では、「オヤフェス(オヤツフェスティバル2017)」を合言葉に、全営業マンに直接商品を説明しました。他にはない商品ということもあり、マーケティンググループに着任して丸3年、最も手応えのあった新製品となりました。11月には流通各社を招き、新製品発表会を行いましたが、その中でも「これは売れる」や「すぐに導入する」など高い評価を得ることができ、手応えはより強いものとなりました。さらに、発表だけでは終わらせず、営業と協働で導入と販売促進のためのミーティングを実施し、全国共通で商談で使える提案書も作り上げました。 導入決定店舗も確実に増えており、今後の実績が非常に楽しみな状況です。食品群において新たな段階に進むための一歩を踏み出せた企画となりました。
2016年12月に、パッケージとプロダクトのデザイン担当者を集め、デザインセッションを行いました。私はこのセッションにPigeon Wayの基本となる価値観「コミュニケーション・納得・信頼」と行動原則「強い個人によるグローバルコラボレーション」を持って取り組みました。
今回が2回目となるこのセッションは2015年に始まった取り組みで、目的は各国のデザイン担当者の相互理解と情報交換によるデザイン品質の向上でした。前回は中国と韓国の2ヵ国から5名の参加だったのに対し、今回は中国・韓国・シンガポール・インド・タイの5ヵ国から13名の参加者を得ることができました。普段メールでやりとりをしているだけで会ったことのない人、会ったことはあるけれども深く話したことがない人同士が集まり、2日間にわたりデザインについて意見交換をしました。私自身にとって良い機会になることはもちろんでしたが、このような場を提供することで、参加者同士のコミュニケーションを促進するのが私の仕事でした。また、他の国から来る参加者をゲストとしてもてなし、日本の滞在を良い経験にしてもらいたいという思いもありました。
夕飯の時間に、インドから来たスタッフから「なぜあなたはインドからのパッケージ案にたくさんの質問をするのか」と二度も聞かれたことがありました。私は「どうしてそんな質問をするのか」と不思議に思いましたが、話していくと「インドではそれで良いと思っているデザインに対して、日本からたくさん質問や指摘が来て面倒だ」との思いがあることを、伺い知ることができました。私としては、インドのデザインは改善の余地が多くあるように見えましたが、「文化やバックグラウンドを知らないインドという国に対して、自分の感覚を押し付けることはできない」と思い、インドのスタッフの状況をしっかり聞き、それに合った提案をしたいと考えていたので、質問をしていたのです。聞き慣れないインド英語×つたない私の英語で何とか話していくと、お互い根底にあるのは「ピジョンのデザインを良くしたい」という共通の思いであることが分かりました。これにより、今後はもっとスムーズに提案と議論ができると確信することができました。思いが通じたのは、対面のコミュニケ―ションがあったこと、何日かを共に過ごし、互いのパーソナリティを理解したことによる収穫だったと思います。
この様な事が、私以外にもたくさんあったことをセッションの開催後に知りました。シンガポールと中国のデザイン担当のスタッフが自発的にデザインをレビューし合ったり、タイの生産子会社のスタッフがデザインに対する理解が増したことで、デザインのディテールの実現性が上がったり、ということが実際に起きています。デザインを作っているのは人であり、人はコミュニケーションの中で有機的にも無機的にもなり得るものです。ポジティブで風通しの良いデザイン担当者の関係性を作れたことが、私にとって嬉しい成果となりました。
入社1年目の私は、Pigeon Wayの基本となる価値観「熱意」と行動原則「瞳の中にはいつも消費者」をベビーカー「Premige(プレミージュ)」の販売応援で実践しました。 私は当社のベビーカーが大好きです。理由は2つあり、1つは入社して最初に売上に貢献できたのが「Premige」だったからです。お客様から「このベビーカーにします」と言っていただけた時のドキドキ感は鮮明に記憶しています。もう1つはお客様が本当に納得して買っていただける商品力があるからです。街で見かけた時は、どんな所に気に入ってくれたのかなと嬉しい気持ちになります。
しかし、入社間もない私にとって、お客様にベビーカーを購入していただくことは非常に大変なことでした。販売応援に入りたての頃は、お客様のことを全く考えられず、商品の特徴を一方的に説明するだけだったので、購入には結び付きませんでした。
そこで私は、お客様の気持ちに寄り添えるように、実際に道路で「Premige」を押して歩いてみました。一般的なベビーカーは音がして振動も多いのですが、ピジョンの大径シングルタイヤベビーカー「Premige」「Runfee ef(ランフィ・エフ)」は静かに走れて、座面に手を置いても振動がほぼないことに驚きました。また、街中でもベビーカーを観察してみました。赤ちゃんに注目すると、歩道の凸凹でかなり揺れており、段差でつまずいた時には、赤ちゃんが前に飛び出そうになっていました。また。ママにも注目してみると、赤ちゃんのための持ち物であろうか、重そうなリュックを背負っています。その上、一般的なダブルタイヤのベビーカーでは、左右のタイヤの間が狭く足元が広くないので、足がタイヤに当たらないように歩くので無意識に腰が引けた状態で押していました。そして、腰へのストレスを解消するために、信号待ちの間に伸びをしていたのです。その時、私は「ピジョンの大径シングルタイヤなら振動やつまずきを減らせるので赤ちゃんが快適で、ママにとっても腰を伸ばした楽な体勢で歩けるのに」と感じました。
私は、この想いを店頭でそのまま、お客様や店舗スタッフにお伝えしました。すると、お客様から「軽いベビーカーがいいと思っていましたが、赤ちゃんが快適に過ごせるほうがいいですね。振動を減らせる“Runfee ef“をください」と言っていただきました。また、店舗スタッフからはRunfee Lino'n(ランフィ リノン)が売れました。足元が広くて歩きやすいので、腰が痛むママに気に入っていただけました」との反応があり、成果に結びつけることができました。
今後も全ての活動において、お客様目線で語れるような社員になるために、お客様のお困りごとや自覚していない願望を発見する努力をしていきたいと思います。
私は2015年から約2年に渡り「パッケージデザインガイドラインの策定」に携わってきました。これは、ピジョンが “世界に通じるブランド力" を達成するために、パッケージのガイドラインを策定し、グローバルで一貫したイメージを発信していくことで、「ブランド力の強化・向上に繋げる」というものです。この取組みを通じて、私はPigeon wayの基本となる価値観「熱意」、行動原則「強い個人によるグローバルコラボレーション」を実行しました。
まず、一言で「グローバルで一貫したイメージを発信する」と言っても、簡単にはいきませんでした。なぜなら、日本と海外では、ピジョンブランドが発信しているイメージに差があったからです。また、ピジョンは商品の種類が幅広く、それらすべてに対応できるガイドラインにする必要がありました。そこで、まずは現状分析と課題抽出を行い、方向性を絞っていくことから始めました。具体的には、世界を代表するグローバル企業のパッケージデザインを分析しヒントを得ることや、国内外でブランドイメージの摺合せを行い、ガイドラインに組み込む要素を決めていきました。試行錯誤の連続でしたが、「熱意」をもって取り組み、多角的な視点での情報収集・分析・検証を繰り返すことで、徐々にピジョンのパッケージデザインのあるべき姿が見えてきました。
その後、デザイン試作を行い、「ブランディングキーワードである “Excellent" “Tender" “Innovative"が表現できているか」「各国の売り場で競合と戦えるデザインになっているか」といった視点で確認しながら、プロジェクトメンバーで何度も検討を重ねました。その中でも特に、「メインカラー」を決める工程では苦戦をしました。色は、お客様に与える印象や、そのブランドが発信するイメージに大きく影響します。その上、国の文化や思想の違いにより、色の感じ方は様々であることがわかりました。そのため、各国で色に関するアンケートやヒアリングを行い、結果をデザインに反映していくことで、どの国でも受け入れられるパッケージデザインガイドラインを完成させることができました。
私はこの取組みを通して、日本だけでなく海外の市場・考え方を知り、グローバル視点で今後のピジョンを考えるきっかけになりました。これから、このガイドラインを運用していきますが、ピジョンがブランド力を発揮し「グローバルNo.1の育児用品メーカー」を実現するためにも、私ができることを積極的に取組んでいきたいと思います。
今年7月、岡山県にある国立病院から「(当社が受託運営している)たんぽぽ保育園の創立55周年記念式典で祝辞をいただきたい」とのご依頼がありました。東京から気軽に行ける距離ではありませんでしたが、日々保育園を支えてくださっている方々とコミュニケーションが取れる好機と考え、私は参加を決めました。
当日は病院関係者・保育スタッフ・在園児・保護者に加えて、卒園児とその保護者も含め総勢150名を超える盛大な式典となりました。こちらの院長先生は20年以上前の副院長時代に、たんぽぽ保育園の園長を兼任されており、祝辞の中では当時の園運営のご苦労などに触れられるとともに、運営をピジョンに委託してからの12年間について、「ピジョンさんには心から感謝しています。」とお褒めの言葉をいただきました。
式典終了後には直接院長先生からお声掛けをいただきました。「今回たんぽぽ保育園が55周年を迎えられたのは、長きに渡って常に周りの方々のサポートがあったからです。自分たちの力だけでは、ここまで辿り着くことはできませんでした。なかでもピジョンさんが受託運営してくれている10年余り間に、たんぽぽ保育園は子供を預かるだけの託児所から、独自の『特色』を備えた立派な園に成長しました。日々の保育も充実しており、園児にとっても保護者にとっても満足度の高い内容になっていると聞いています。本当にありがとうございます。これからもより良い園づくりにご協力をお願いします。」と嬉しいお言葉をいただきました。
式典に参加することで、院長先生から直接お褒めの言葉をいただくことができ、改めて自らが動くことの重要性を実感しました。現地に出向きコミュニケーションを取り、お互いの気持ちを直接確認することで納得感を深め、信頼関係を築きあげる。人が中心の保育事業だからこそ、この好循環を構築する「重み」を身に染みて感じる出来事でした。
クライアントである病院のみならず、消費者(=利用者)である園児と保護者にとって満足度の高い保育サービスを提供する。このことを常に念頭に置き、これからも保育所運営に携わっていきたいと思います。
私が担当しているピジョン奨学財団において、産科・小児科・新生児科を目指す学生達との交流会を2015年7月に行った際の話です。
財団の設立目的は、産科・小児科・新生児科の医師不足を背景に、その分野の医師を志す医学生に対して奨学金を支給し、情熱をもって学業に取り組むことができる環境を提供することです。2015年6月に36名の一期生が誕生しましたが、奨学生と直接会う機会はなく、願書やメールと事務的なやり取りの中で奨学生の人となりを感じるに留まっていました。
そんな中、開催したのが交流会です。会は二部制で、第一部ではピジョン奨学財団評議員・理事の講話、コーポレート動画放映、第二部では懇親会を行いました。初めての交流会でも奨学生が和めるよう、特に雰囲気作りをしっかりと行うことを念頭に準備を進めました。
終わってみると、もっと充実した内容にできたのではという反省もある一方で、限られた準備期間でも、早期に開催して良かったと感じられることもありました。それは、交流会で直接コミュニケーションを取ることで、手紙やメールでは伝わらない人となりや、奨学生の熱い想いを知ることができたことです。
第二部ではフランクな雰囲気の中、皆さん様々な話をして下さいました。医学の道に進むといった強い意志を持つ方は、学生とはいえ、その眼差しや言葉には心動かされるものがあり、自分と医療の将来を見据えて、とても熱心に語って下さいました。一方で、やはり学生・若者であり、趣味やバイト、恋愛など色々なことに関心があり、学業だけでなく学生生活を満喫していると感じさせてくれました。同時に財団への感謝の気持ちも聞くことが出来ました。
今回、交流会であらためて気づかされた点は「目的を持って学ぶ、働く、与えられた環境の中で楽しむ、それ無くして、やりがいは感じられない」とうことです。その大切さは忙殺の日々の中で忘れがちですが、当事者意識を持ち業務に取り組んだことでやりがいを感じ、良い経験を重ねることができました。
仕事は一歩前に進むと、数個の新たな課題が出てくるものですが、財団の運営も例外なく同じです。今はその課題を取りとめておくことで精いっぱいですが、次回以降には改善をし、財団の存在意義を更に高めていくことが、担当者としての役目であり、私の希望です。
育児休業から復帰後、お客様相談室に配属になり3ヵ月が経過しました。
まだまだ慣れない業務の中ではありますが、心掛けていることはPigeon Wayの「瞳の中にはいつも消費者」という行動原則です。
妊娠、出産を経験し、現在1歳半になる息子の育児を行う私は、ピジョンにとってまさに消費者そのもの。私自身が現役の子育てママ、消費者だからこそ分かる気持ちがあると思い、お客様に寄り添える人でありたいと思っています。1人1人子育て環境が異なり、必ずしも自分の経験が活かせない場合でも、お客様の声と心に寄り添って状況を理解する事をまずは心掛けています。
お客様からのお問い合わせで、哺乳びんの乳首のサイズ、赤ちゃんがミルクを飲むスピードなど、基本的な授乳について、アドバイスが欲しいというお声を多く頂きます。ピジョン社員である私自身でさえ、生後間もない頃は授乳量が疎らで心配な時期があり、地域の保健サービスや産院へ相談をしていました。
「多分大丈夫だけれど、第三者に聞いてほしい」「他の人から見ても大丈夫かどうか知りたい」「自分の事だったら平気だけど、生後間もない我が子の事だから心配」というお客様の気持ちを汲み取り、真摯に寄り添いたいと考えています。
また、妊娠中の方でピジョン商品の購入検討やカタログ送付希望でお問合せ頂いた方には、まず「おめでとうございます」とお伝えする等、私自身妊娠中にして頂いて嬉しかったことをお客様にもお返しできるように、これからも心掛けていきたいと思います。
未だ復帰、配属直後で経験が浅く未熟な私でも、ご対応終了間際にお客様より「ご丁寧にありがとうございました」とお礼の言葉を頂くことがあります。これはPigeon Wayに則り、「瞳の中にはいつも消費者」を心掛けた結果だと感じています。
これまでの業務で経験した消費者調査でも感じておりましたが、実際のお客様の声を聞いて、ピジョンブランドと商品を好んで下さる方が本当に多いことを実感すると同時に、それだけお客様からのご期待も高いと感じています。
お客様に寄り添いながら赤ちゃんのため、ママ・パパのために作った商品をよりよく理解していただけるように、今後も努力していきたいと思います。