小さく生まれた赤ちゃんのために母乳バンクを支援(中国)

  • 社会課題への貢献
  • 3: すべての人に健康と福祉を
  • 17: パートナーシップで目標を達成しよう

2023.08.23

ピジョングループでは、早産で生まれた赤ちゃん、低体重で生まれた赤ちゃん、病気や外的疾患で治療が必要な赤ちゃんなど、専門的なケアが必要な赤ちゃんとご家族を支援するため「ちいさな産声サポートプロジェクト」を実施しています。この活動の一つとして、PIGEON(SHANGHAI)CO.,LTD.(以下、PSH)は、2020年から母乳バンク支援プログラムを開始しました。

母乳バンクとは

早産・極低出生体重児(出生体重1,500g未満の赤ちゃん)が自分の母親から母乳を得られない場合に、寄付された母乳を処理した「ドナーミルク」を提供する施設です。 母乳バンクでは、国際的な運用基準に基づき、寄付された母乳の検査や低温殺菌処理を行い、安全に保管がされています。

活動の背景

中国では、2013年に広州市母子医療センターに国内第1号の母乳バンクが開設され、その後、上海、重慶、北京などの各地に開設されました。しかし、母乳バンクの認知が広がっておらずドナーミルクが少ないこと、母乳バンクの運営資金不足などの原因により、ドナーミルクを必要としている赤ちゃんの1割しか提供できない状況がありました。この状況を受けてPSHでは一人ひとりのかけがえのない命を大切にし、私たちの存在意義「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」を実現するためにも母乳バンク支援を開始することを決定しました。

※新华社 “捐赠数量少 标准不统一——我国母乳库发展调查” 2017年7月4日 http://www.xinhuanet.com//politics/2017-07/04/c_1121262415.htm

母乳バンクの開設支援

中国北京春苗慈善基金会との活動

2020年に中国北京春苗慈善基金会「母乳バンク特別基金」の第1号メインパートナーとなり、2020年から2023年7月までに合計100万人民元(約1,900万円)を寄付し、福建省小児病院、北京華信病院(清華大学第一付属病院)、雲南省の昆明市小児病院など合計6病院内での母乳バンク新設に貢献しました。支援開始からおよそ170万mlにおよぶドナーミルクを1100人以上の小さく生まれた赤ちゃんに届けています。

上海児童基金会との活動

PSHは上海児童基金会を通じて、上海の復旦大学付属児童病院に対し、2022年~2024年の3年間に合計180万人民元(約3,500万円)の寄付を行う予定です。寄付金は、当病院内に建設中の中国国内最大規模となる母乳バンクの設置やNICUに入院する赤ちゃんのご家族が病院で付き添いをするためのファミリールームの設置に活用されます。

  • NICUに入院する赤ちゃんのご家族のためのファミリールーム

この他にも、PSHでは2020年11月から2023年7月までの間にさく乳器、母乳フリーザーパック等、約50万人民元(約1,000万円)相当の商品寄贈や母乳バンクに関する調査を実施するなど、母乳バンクの運営支援や、社会における母乳バンクの普及啓発活動にも注力しています。

私たちは、これからも専門的なケアを必要とする赤ちゃん一人ひとりの健やかな成長を支え、ご家族がより安心し幸せを実感できるように支援を続けていきます。

早産児のご家族を経済面からサポートする「早産児医療保険」(中国)