CSR調達推進のための取り組み
ピジョングループでは、CSR調達を推進し、サプライチェーンの各プロセスにおいて社会的責任を果たすために、お取引先(パートナー)の皆様との相互コミュニケーションを重視しています。2020年12月に策定した本方針及びガイドラインは多言語(日本語、英語、中国語、韓国語、タイ語、インドネシア語、マレー語、ヒンディー語、トルコ語)に訳され、世界各地のお取引先(パートナー)の皆様に、「CSR調達方針」に定めたガイドラインへのご理解と遵守を求めるエンゲージメントを行っております。また年1回の頻度でCSR調達アセスメントを実施し、CSR調達推進のための取り組みを行っております。
お取引(パートナー)様とのコミュニケーション
CSR調達をパートナーの皆様と協働して推進するため、相互コミュニケーションの機会を設けています。
サプライヤー説明会
日本事業では、業績報告と方針説明を目的とした「報告会」を年1回実施しており、その中で昨年のCSR調達活動の報告と今年のCSR調達アセスメントについて、説明をしています。
2025年は3月6日に説明会を実施し、54社のお取引先企業様に参加いただきました。
責任ある調達実現のためのパートナーシップブック制作
パートナーの皆様との継続的な協働関係を築き、共に成長し、共に社会的責任を果たしていくため、ピジョングループの「責任ある調達(CSR調達)」を明確に示した「責任ある調達実現のためのパートナーシップブック」を2025年に作成しました。
CSR調達方針・ガイドラインの理解度調査
お取引先とのエンゲージメント強化ため、2025年3月「責任ある調達実現のためのパートナーシップブック」を制作いたしました。
併せて、2025年実施のCSR調達アセスメントにおいて、当社グループのCSR調達方針・ガイドラインの理解度調査も実施し、アセスメントにご回答頂いた471社のうち、「理解している」と回答頂いたお取引の割合は「365社(77.5%)」となりました。
引き続き対話をつづけ、責任ある調達に向けた取組みを推進いたします。
新規サプライヤーに対する事前のリスク調査
現在は新規サプライヤー様に対して、CSR推進のための方針の策定状況の項目を含む、事前のリスク評価を行っています。
今後はグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)が開発した「CSR調達セルフ・アセスメント質問表」を新規サプライヤー様にも標準採用し、
人権、労働、環境、公正な企業活動(腐敗、贈収賄の防止や競争法の遵守等を含む)、品質・安全性、サプライチェーン、地域社会の観点を含む、総合的な評価を行うための準備を進めています。
CSR調達アセスメント
これまでの法規制関連による管理に加え、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)が開発した「CSR調達セルフ・アセスメント質問表」を採用し、2021年から日本事業・中国事業・シンガポール事業を集計範囲とした調査を開始しました。2022年からは、ランシノ事業も調査対象に加わりました。
本調査の目的
本調査の目的は、サプライヤーの皆様におけるESGに関する取り組みの把握、および当社のサプライチェーン上における課題を認識することにあります。
本調査によって明らかになった課題についてサプライヤーの皆様と共に改善に取り組むことで、社会課題の解決に貢献するとともに、サプライヤーの皆様とのより強固な関係性を構築することができると考えています。
集計範囲
日本事業、中国事業、シンガポール事業、ランシノ事業
対象サプライヤー
2021年より調査を開始し、これまでに4つの事業、生産子会社の1次サプライヤーまで段階的に拡大し取り組んできました。
年度 |
調査対象 |
依頼社数 |
回答社数 |
回答率 |
2021年 |
ランシノを除く3事業にて実施 | 235 | 223 | 94.9% |
2022年 |
4事業全てにて実施(以降4事業全てにて実施) | 247 | 236 | 95.5% |
2023年 |
シンガポール・ランシノBUにて生産子会社の1次サプライヤーまで拡大実施 | 478 | 367 | 76.8% |
2024年 |
日本事業にて生産子会社の1次サプライヤーまで拡大実施 | 563 | 480 | 85.3% |
2025年 |
2024年同様、全事業の生産子会社の1次サプライヤーまで対象として実施 | 536 | 471 | 87.9% |
2025年調査では、日本事業、中国事業、シンガポール事業、ランシノ事業の販売子会社と生産子会社における全ての1次サプライヤーを対象としています。合計536社に実施し回答を得られたのは471社、回答率は87.9%となります。
集計範囲 | 依頼数 | 回答数 | 回答率 |
---|---|---|---|
日本事業 | 156 | 136 | 87.2% |
中国事業 | 101 | 101 | 100.0% |
シンガポール事業 | 225 | 195 | 86.7% |
ランシノ事業 | 54 | 39 | 72.2% |
合計 | 536 | 471 | 87.9% |
調査項目
質問票として国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)が作成したセルフ・アセスメント質問表(SAQ)を使⽤しています。調査項⽬は下記「調査結果」の表の通りであり、それぞれの中項⽬ごとに、「法律の認識」「⽅針」「体制・責任」「取り組み結果の確認」および「是正」の⼩項⽬を設け、⼩項⽬ごとに 3 段階での⾃⼰評価をしていただく形式をとっております。項目の詳細は、ページ下部の「CSR調達アセスメントレポート」をご確認ください。
調査結果(グループ合計)
全体の平均得点率は86.0%で昨年の84.6%から上昇しています。「品質・安全性」「労働」の項目は90%以上であり、80%未満であった「CSRに関わるコーポレートガバナンス」「サプライチェーン」「地域社会との共生」といった項⽬が80%を超えるようになりましたが、今後も継続して改善課題としております。
調査項目 | 設問数 | 平均得点率 | ||
---|---|---|---|---|
2024年 | 2025年 | 前年差 | ||
1.CSRに関わるコーポレートガバナンス | 20 | 79.1% | 81.6% | 2.5% |
2.人権 | 9 | 83.4% | 85.0% | 1.6% |
3.労働 | 23 | 90.7% | 91.2% | 0.5% |
4.環境 | 15 | 83.5% | 84.9% | 1.4% |
5.公正な企業活動 | 20 | 83.6% | 85.1% | 1.5% |
6.品質・安全性 | 7 | 92.9% | 93.5% | 0.6% |
7.情報セキュリティ | 9 | 86.3% | 87.2% | 0.8% |
8.サプライチェーン | 7 | 79.5% | 80.5% | 1.0% |
9.地域社会との共生 | 4 | 78.2% | 80.8% | 2.6% |
全体 | 114 | 84.6% | 86.0% | 1.4% |
※「該当しない」と回答があった設問は、対象サプライヤー様毎の得点率算出の際に、分母から除いています。
改善に向けた取り組み
ご回答のあったサプライヤー様に対して、個別の集計結果や全体平均得点率、そしてリスクが高いと判断された項目についてフィードバックするとともに、改善に向けた取り組みを各事業毎に推進していきます。
CSR調達アセスメントレポート
環境負荷軽減に関するサプライヤーとのエンゲージメント
サプライヤーのGHG排出量算定状況の把握
ピジョングループのスコープ3GHG排出量削減のためには、購入した製品・サービス(カテゴリー1)に関わるサプライヤーとの協働が不可欠と考えています。その第1歩として、2023年よりCSR調達アセスメント調査を利用して、サプライヤーのスコープ1&スコープ2GHG排出量の算定状況の把握に取り組んでいます。
2025年度の集計では、回答いただいた471社の内、215社、45%が算定されていました。
サプライヤーのスコープ1&2GHG排出量算定状況
CSR調達アセスメント調査対象企業数 |
CSR調達アセスメント |
CSR調達アセスメント |
CSR調達アセスメント回答企業のうち、 |
GHG排出量算定 |
|
2023年 |
478 | 367 | 76.8% | 146 | 39.8% |
2024年 |
563 | 480 | 85.3% | 207 | 43.1% |
2025年 |
536 | 471 | 87.9% | 215 | 45.6% |