CSR調達の推進

社会課題への貢献

CSR調達の考え方

ピジョン( 以下、当社)は、『愛』という強く信じる経営の根本の考えのもと「Pigeon Way」に則った企業活動を行っています。この「Pigeon Way」 は、私たちの“心”と“行動”の拠り所であり、すべての活動の基本となる考え方です。

この「Pigeon Way」を体現し、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にするために、「Pigeon ESG/SDGs 基本方針」に掲げている「持続可能な社会の発展」に貢献し続けるため、当社の調達活動における基本的な考え方と姿勢を示した「CSR 調達方針(以下、本方針)」、ならびにサプライヤーの皆様との活動指針となる「CSR調達ガイドライン(以下、ガイドライン)」を制定しております。

当社は、本方針ならびにガイドラインに基づき、調達する商品や原材料の品質と安定供給を追求すると共に、サプライヤーの皆様とWin-Winの関係を構築していきながら、法令遵守と高い倫理観を持って公正な取引を行ってまいります。

CSR調達推進のための取り組み

ピジョングループでは、CSR調達を推進し、サプライチェーンの各プロセスにおいて社会的責任を果たすために、サプライヤーの皆様との相互コミュニケーションを重視していきます。2020年12月に策定した本方針及びガイドラインは日本語だけでなく、中国語、英語にも訳され、「CSR調達方針」に定めたガイドラインへのご理解と遵守を求めるエンゲージメントを行っております。また年1回の頻度でCSR調達アセスメントを実施し、CSR調達推進のための取り組みを行っております。

サプライヤー説明会

CSR調達をサプライヤーの皆様と協働して推進するため、相互コミュニケーションの機会を設けています。
日本事業では、業績報告と方針説明を目的とした「報告会」を年1回実施しており、その中で昨年のCSR調達活動の報告と今年のCSR調達アセスメントについて、説明をしています。
2023年は、3月8日に説明会を実施し、57社の取引先企業様に参加いただきました。

新規サプライヤーに対する事前のリスク調査

現在は新規サプライヤー様に対して、CSR推進のための方針の策定状況の項目を含む、事前のリスク評価を行っています。
今後はグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)が開発した「CSR調達セルフ・アセスメント質問表」を新規サプライヤー様にも標準採用し、
人権、労働、環境、公正な企業活動(腐敗、贈収賄の防止や競争法の遵守等を含む)、品質・安全性、サプライチェーン、地域社会の観点を含む、総合的な評価を行うための準備を進めています。

CSR調達アセスメント

これまでの法規制関連による管理に加え、グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)が開発した「CSR調達セルフ・アセスメント質問表」を採用し、2021年から日本事業・中国事業・シンガポール事業を集計範囲とした調査を開始しました。2022年からは、ランシノ事業も調査対象に加わりました。

本調査の目的

本調査の目的は、サプライヤーの皆様におけるESGに関する取り組みの把握、および当社のサプライチェーン上における課題を認識することにあります。
本調査によって明らかになった課題についてサプライヤーの皆様と共に改善に取り組むことで、社会課題の解決に貢献するとともに、サプライヤーの皆様とのより強固な関係性を構築することができると考えています。

集計範囲

日本事業、中国事業、シンガポール事業、ランシノ事業

対象サプライヤー

2023年調査では、ピジョン株式会社、PIGEON(SHANGHAI)CO.,LTD.、PIGEON SINGAPORE PTE.LTD.、ランシノ事業各販売会社における全ての1次サプライヤーおよび国内外の生産子会社における主要サプライヤー※合計478社を対象としています。その内、回答が得られたのは367社、回答率は76.8%となります。

※2023年調査からシンガポール事業・ランシノ事業の生産子会社における主要サプライヤーを調査対象に加えました。

集計範囲 依頼数 回答数 回答率
日本事業 99 98 99.0%
中国事業 88 85 96.6%
シンガポール事業 230 138 60.0%
ランシノ事業 61 46 75.4%
合計 478 367 76.8%

調査項目

質問票として国連グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)が作成したセルフ・アセスメント質問表(SAQ)を使⽤しています。調査項⽬は下記「調査結果」の表の通りであり、それぞれの中項⽬ごとに、「法律の認識」「⽅針」「体制・責任」「取り組み結果の確認」および「是正」の⼩項⽬を設け、⼩項⽬ごとに 3 段階での⾃⼰評価をしていただく形式をとっております。項目の詳細は、ページ下部の「CSR調達アセスメントレポート」をご確認ください。

調査結果(グループ合計)

全体の平均得点率は84.7%で「環境」「公正な企業活動」といった項目は取り組みが進み、「CSRに関わるコーポレートガバナンス」「サプライチェーン」「地域社会との共生」といった項⽬が課題という結果になりました。

※「該当しない」と回答があった設問は、対象サプライヤー様毎の得点率算出の際に、分母から除いています。

改善に向けた取り組み

ご回答のあったサプライヤー様に対して、個別の集計結果や全体平均得点率、そしてリスクが高いと判断された項目についてフィードバックするとともに、改善に向けた取り組みを各事業毎に推進していきます。

CSR調達アセスメントレポート

CSR調達方針

本方針は、持続可能な社会の発展のために、調達活動における当社の責任を果たすべく、2020年12月に策定しました。

  1. 社会的責任
    (1)品質および安全
    (2)安定調達および安定供給
    (3)人権尊重
    (4)労働
    (5)BCP対応
    (6)安全性への取り組み
  2. 環境負荷軽減
    (1)環境保全の推進
    (2)資源の効率的な利用と省資源化の推進
    (3)廃棄物の削減
    (4)温暖化物質の排出抑制
    (5)製造工程および製品における化学物質の管理
    (6)生物多様性
  3. 公正な取引
    (1)社会規範の遵守
    (2)法令遵守
    (3)公正な競争
    (4)汚職、贈収賄の禁止
    (5)優越的地位の乱用禁止
    (6)信頼関係の構築
    (7)情報管理とセキュリティ

制定 2020年12月21日

CSR調達ガイドライン

本ガイドラインは、当社のサプライヤーの皆様と協働して持続可能な調達活動を推進するための指針として、2020年12月に策定しました。

  1. 社会的責任
    (1)品質および安全

    各市場で求められる規格に適合するのみならず、独自の視点で、赤ちゃんにとって安全な品質基準「ピジョンクオリティスタンダード(PQS)」を設け、 「安全性」「耐久性」「使いやすさ」の角度から品質を評価、確認した商品および資材を調達します。

    (2)安定調達および安定供給

    お客様に良い商品・良いサービスをお届けするために、安定調達、安定供給を重視します。サプライヤーの皆様には、安定調達への協力とリスクへの備えに関する情報の共有をすると同時に、サプライヤーの皆様からも、安定供給を阻害するリスクへの備えと事由発生時の供給停止等の速やかな連絡をいただき、双方合意の上で供給責任を果たします。
    また、経済的かつ品質を確認した商品および資材を調達すること、ならびに、当社の要求を満たす製造および供給能力を重視し調達します。

    (3)人権尊重

    調達活動を通じて、国籍、性別、年齢、信条、障がいの有無または社会的身分、性自認や性的指向等の多様性に対し、敬意を持って受容するという考えから、人権尊重を重視し、一切の差別を禁止します。また、サプライヤーの皆様に対して、その商品・サービスに関連した事業活動において人権への悪影響や人権の軽視が生じないよう、人権尊重に向けた取り組みを求めていきます。

    (4)労働

    児童労働、強制労働、不法労働の禁止および非人道的な労働に対する十分な配慮と、従業員の適正な雇用の推進に取り組みます。
    また、労働関係法令および労働条件を遵守し、安全で衛生的な労働環境の提供、最低賃金の保証ならびに過剰労働時間の防止を推進します。
    さらに、結社の自由と団体交渉権の行使を容認するとともに、雇用管理や処遇についての一切の差別的な取り扱いをせず、あらゆるハラスメントなど、職場における不当な取り扱いを防止するための措置を講じてまいります。

    (5)BCP対応

    自然災害、事故、テロ、廃業、経営上の事由による供給停止のリスクに備え、事業継続計画(Business Continuity Plan)を立案し、リスクの低減を実施し、そのための情報開示、透明性をサプライヤーの皆様との双方合意の上で推進してまいります。

    (6)安全性への取り組み

    当社が有害と捉える化学物質の含有状況を含めた成分組成を開示し、当社の商品に使用する赤ちゃんとご家族に安心、満足、信頼されることを最重視して、その開発から製造、販売、アフターフォローに至るすべてのプロセスを実行します。また、各国の法令や安全基準等を遵守して、商品の品質と安全性の確保に努めます。
    また、動物実験の廃止に向けた動きを、世界的かつ重要な要請と受け止め、動物実験廃止の実現に向けて取り組みます。

  2. 環境負荷軽減
    (1)環境保全の推進

    環境保全の重要性を理解し、事業活動に伴う大気汚染、水質汚濁、土壌汚染等の有害物質の排出による環境負荷の抑制、低減をサプライヤーの皆様と取り組みます。

    (2)資源の効率的な利用と省資源化の推進

    資源(エネルギー・水・原材料等)の持続可能で効率的な利用と省資源化(リデュース・リユース・リサイクル)をサプライヤーの皆様と取り組みます。

    (3)廃棄物の削減

    廃棄物の特定、管理、削減および責任ある廃棄を実行すると共に、その削減をサプライヤーの皆様と取り組みます。

    (4)温暖化物質の排出抑制

    環境マネジメントシステムの更なる構築をはじめ、特に温暖化物質を特定し排出量の削減を努めると同時に、CO2排出量抑制に関する記録を適切に実施してまいります。

    (5)製造工程および製品における化学物質の管理

    製品に含有する化学物質や、製造工程で用いる化学物質の管理は、各国の環境に関する法令、条例、協定等に適合するため、使用する化学物質情報を調査、把握し、遵守することを求めていきます。

    (6)生物多様性

    生態系に与える直接および間接的影響について検討を行い、生物多様性の保全と持続可能な利用に取り組むことを求めていきます。

  3. 公正な取引
    (1)社会規範の遵守

    調達活動のあらゆる場面において、常に高い倫理観をもち、コンプライアンス重視の活動を推進し、法令または企業倫理に反しなければ得られない利益は放棄します。

    (2)法令遵守

    当社は、Pigeon way のもと、企業の社会的な存在意義を十分に自覚し、各国、地域に関する法令および規制を遵守します。また、これを徹底し、誤解を招くような行為またはこれに反する行為は行いません。
    さらに、反社会的な勢力とは関係をもたないことはもちろん、不当な要求に対しては、断固としてその要求を拒否するとともに、関係当局と連携し、組織的な対応をします。

    (3)公正な競争

    調達活動においても、公正、透明、自由な取引および競争を通じて、企業としての発展を目指し、またそれによって健全な経済の発展に寄与していくため、あらゆる競争法を遵守します。また、これらを踏まえ適正な取引方法を確立し、サプライヤーの皆様と協議しながら、責任ある調達を行います。
    さらに、企業活動の競争力の源泉である知的財産を適切に管理・活用するため、会社の特許権、実用新案権、商標権、意匠権または著作権等の知的財産権の重要性を認識し、研究成果、開発成果を適切に権利化し保護します。また、第三者の知的財産権を不当に侵害しないよう取扱いには十分に注意します。

    (4)汚職、贈収賄の禁止

    サプライヤーの皆様に対して、不当な利益や優遇措置の取得・維持を目的とする接待、贈答、金銭などの授受および供与は一切行いません。

    (5)優越的地位の乱用禁止

    当社は、Pigeon wayのもと、企業としての社会的存在を十分に自覚し、各国、地域に関する法令および規制を遵守すると同時に、優越的地位を乱用せず、サプライヤーの皆様との公平で公正な関係を保つように努めます。

    (6)信頼関係の構築

    赤ちゃんとご家族に安心、満足、信頼される商品や資材の取引を通じ、サプライヤーの皆様との信頼関係を構築してまいります。
    また、サプライヤーの皆様と必要な情報を交換し合い取引の条件や相互の行動などについて真摯に評価し合い、相互の事業発展と業績向上に努めていきます。

    (7)情報管理とセキュリティ

    調達活動においては、機密情報ならびに個人情報は厳重に管理していきます。また、機密情報等の不正利用を防止します。

制定 2020年12月21日