考え方・ピジョングループの強み・スキンケア 基本方針
ピジョンは、1974年から赤ちゃん用スキンケア商品の販売を開始し、2024年に発売から50周年を迎えました。大人の肌の約半分の薄さしかなく、外からの刺激に弱いデリケートな赤ちゃんの肌に対して、どのような商品が求められているのかを、50年前から現在に至るまで常に考えてきました。ベビースキンケアは世界的に成長市場である一方、各市場においてグローバル・ローカルともに競合ブランドが非常に多く市場競争の激しいカテゴリです。2022年末時点での日本での市場シェア※1は約30%、中国での市場シェア※2は10%程度で、日本・中国含めすべての展開市場においてさらなる事業拡大の余地が十分あります。シンガポール事業が統括する主要国の現在の市場シェアはわずかですが、今後の成長機会には非常に期待ができるものと認識しています。エビデンスの裏付けがあり、赤ちゃんにとって最適なスキンケア ができる付加価値の高い商品ラインアップを各市場のニーズに 合わせて 開発し、迅速に投入していくことで当社ブランドの存在感を高めていきます 。
ピジョングループ では日本と中国に研究拠点を設け、赤ちゃんの肌に特化した基礎研究を数十年に渡って行っています 。日本と中国に加え、インドネシアに自社工場を持ち、その知見や技術を活かした商品化 ・量産化に向けた研究・開発に取り組むことで、競合との差別化を行っています。また、既存領域のベビースキンケア商品に加え、新規領域のキッズスキンケア商品の開発に取り組むなど、スキンケア商品を重要商品カテゴリの一つとして注力しています。
※1当社調べ(インテージPOS全国ベビーショップ・ドラッグストア合算拡大推計値)
※2当社のターゲット顧客内シェア、当社調べ
具体的な取り組み・社外との協働
生まれたばかりの赤ちゃんは、大人の肌の約半分の薄さで、外からの刺激に弱い一方、汗腺の数は大人とほぼ同じであるため、汗をかきやすくなっています。さらに、生まれて3ヵ月頃からは肌を乾燥から守る皮脂が少なく、生涯で最も乾燥しやすいカサカサ肌になります。この肌バリアが未熟な時期にアトピー性皮膚炎を発症する子が多いことが分かっています。ピジョンのベビースキンケアは、赤ちゃんの肌の健康と成長の仕組みに基づき、保湿力や刺激性を考慮しながらも、皮膚バリアの健康な発育のためにバリア機能を補い育めるよう、設計しています。また、品質や安全性はもちろんのこと、スキンケアがママやパパの負担にならないよう、お客様目線でポンプの押しやすさ、洗い流しやすさ、塗り伸ばしやすさなどにもこだわっています。
赤ちゃんの肌の研究や調査を通じた商品開発(日本)
2024年2~3月、プレママ・ママを対象に行った赤ちゃんの沐浴・入浴に関する意識調査と皮膚科医が中心となって設計した実験計画に基づいた検証の結果を踏まえ、赤ちゃんの肌の保湿に重要なセラミドを補いうるおしながら洗う「うる肌洗い」を推奨しました。スキンケアの新常識「うる肌洗い」のポイントはセラミド配合で「弱酸性」「低刺激」のボディソープを選ぶこと、こすらず泡で包み込むようにやさしく洗い上げることです。今でこそ耳にすることが多くなったセラミドですが、ピジョンでは30年近く商品に配合し続けており、現在では、赤ちゃんのお肌で特に不足しがちな「セラミドNP」と赤ちゃんがお肌に本来持っているうるおい成分をお手本にして、「ピジョンナチュラルモイスチャ※」というオリジナルの保湿成分を配合した商品を販売しています。また、実際の赤ちゃんの肌のpHを測定し、赤ちゃんのお肌が弱酸性であることを理解したうえで、「弱酸性」という言葉が一般に広がる前から弱酸性の処方にこだわり続けてきました。全身泡ソープや泡シャンプーは、ママやパパがひとりで赤ちゃんをお風呂に入れる場合を想定して、泡持ちのよいきめ細かい泡で、やさしくかつしっかりと洗える設計になっています。
※保湿成分:セラミドNP+イソステアリン酸フィトステリル
赤ちゃんの肌を守る商品(日本・中国)
ピジョングループでは、各事業ごとに研究・開発部門を設けることで、各国のニーズを反映したスキンケア商品の開発を行い、赤ちゃんやママ・パパに届けています。2024年に中国では、母乳や粉ミルクに含まれる栄養素であるラクトフェリンを主成分とした「ピジョン ラクトフェリン スペシャルケアシリーズ」を発売しました。ラクトフェリンは、一定の濃度で肌のバリア機能を改善し、炎症因子の分泌を抑制したり刺激を軽減したりしながら、赤ちゃんの肌を保湿する効果がある成分であることが分かっています。また、日本では動き回る赤ちゃんにも片手で保湿ができる「うるおいミスト乳液」を発売しました。商品の最大の特長は、時短保湿ケアができることで、浴室内で濡れた肌に直接ミストを吹きかけて、タオルで拭くだけで保湿が完了します。ミストタイプの乳液であるため、シュッとひと吹きすれば手で塗り広げる必要がなく、水になじんですぐに肌にひろがります。簡単に保湿が完了する手軽さから、一人で赤ちゃんや上のお子さんたちのお風呂を入れる、ワンオペお風呂の大変さが軽減されたと、ママ・パパからご好評をいただいています。
スキンケア自社工場の竣工(日本)
2023年、スキンケア製品などの製造を担うピジョンホームプロダクツ株式会社はこれまでの第1工場、第2工場を集約した新工場を静岡県富士市に竣工しました。これまで2ヵ所に分かれていた工場を集約することで生産効率を上げ、収益向上を実現します。また、研究開発設備の拡充および開発担当者を増員することで開発体制を強化し、皮膚常在菌研究や大学との共同研究、静岡県産の植物を使った独自の原料開発など、新たな領域の拡大に取り組みます。さらに、地域に開かれた工場として、民間や官公庁など、地域の交流活動の場となるよう、2024年4月からは一般の方の工場見学も開始しました。開発・製造・検査など、商品が完成するまでの過程の解説に加え、赤ちゃんや育児について楽しく学べる体験展示を通してお客様とのコミュニケーションも充実することで、ベビースキンケアカテゴリにおける当社ブランドの存在感を高め、カテゴリの成長を目指します。
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ピジョンホームプロダクツ株式会社