リスクマネジメント強化

リスクマネジメント方針

ピジョンの存在意義「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」の実現のため、ピジョングループ(以下、当社グループ)は、事業を取り巻くさまざまなリスクに対して適切な管理と対処ができる企業グループであることが重要と考え、重要課題(強固な経営基盤構築)において、リスクマネジメントを個別課題としています。

当社グループは、リスクマネジメント方針(以下、本方針)を掲げ、事業継続のための基盤としてリスクマネジメントに取り組んでいきます。

1.リスクマネジメントの基本的な考え方

 当社グループは、経営目標の達成や企業の継続性に大きな影響を与える不確実性を「リスク」、それが顕在化したものを「インシデント」、事業に大きな影響を与え対応に緊急性を要するものを「クライシス」と定義し、リスクの低減や未然防止を図り、リスクを許容範囲内に収めることをリスクマネジメントの基本方針としています。

 妊娠・出産・育児・介護に欠かすことのできない製品・サービスを提供する企業グループとして、事業活動に重大な影響を及ぼす脅威と機会の双方を考慮しながらリスクに対処することで、製品供給とサービス提供を継続し、持続的な発展をめざします。

2.リスクマネジメントに関する取り組み

 当社グループを取り巻く事業環境の変化や様々なリスクへ対応するために、当社グループでは、ISO31000(リスクマネジメント規格)の考え方を参考に、必要なリスクマネジメント体制および手法を構築します。

3.体制

 リスクマネジメントの体制を明確にするため、リスクマネジメント規程を別途定めます。グループ全社的なリスクマネジメントの強化のため、「リスクマネジメント委員会(GHO及び各BU)」において、リスク情報全般の把握と迅速かつ適切な対応に努めます。

4.コミュニケーションと教育

 当社グループは、本方針をすべての役員、従業員に周知し、リスクマネジメントが当社グループすべての会社における事業活動に組み込まれるよう、すべての役員と従業員に対し、適切な教育を適宜実施しています。

5.情報開示

 当社グループは、本方針に基づくリスクマネジメントの取り組みの進捗状況や結果を、ウェブサイトや報告書等で開示します。

策定日:2024年11月25日

リスクマネジメント体制・活動

リスクマネジメント規程に基づき、代表取締役社長の下に、GHO担当取締役を委員長とするGHOリスクマネジメント委員会を設置し、また、GHOリスクマネジメント委員会の下に、事業セグメントごとに、各事業セグメント(日本事業、中国事業、シンガポール事業、ランシノ事業)の統括責任者を委員長とするリスクマネジメント委員会を設置しています。これにより、グループ全体に関わるリスク情報の集約・必要なコントロールおよび事業セグメントごとの迅速な対応が可能な体制としています。当社のリスクマネジメント活動については、適宜GHOリスクマネジメント委員会から取締役会に報告しています。

リスクマネジメント体制図

リスクマネジメント活動

GHOリスクマネジメント委員会は、各事業セグメントから集約したリスク情報を中核とする当社グループ全体のリスク情報を網羅的に収集、分析・評価し、自らまたは事業セグメントを通じて、対応策を検討・実施しています。特に重点リスクについては、GHOリスクマネジメント委員会が指名したリスク主管部門が中心となって、当社グループ横断で情報集約および施策の検討・実施を行っています。
各事業セグメントにおけるリスクマネジメント委員会は、各々の事業セグメントに係るリスク情報を、同セグメント内のグループ会社に係るリスク情報も含め収集、分析・評価し、対応策を検討・実施しています。また、ピジョングループ全社のリスク管理を行うため、毎年リスクアセスメントでリスクの見直しを実施しながら、リスクの低減、重大リスクの発生防止に努めています。

大規模災害等の当社グループに対する危機が生じた場合には、リスクマネジメント規程または事業継続計画(BCP)に基づき速やかにリス クマネジメント委員会を開催し、損失の極小化および復旧に向けて対応します。重大なリスクやインシデントが発生した場合は、その内容および対応結果等について、適宜GHOリスクマネジメント委員会から取締役会に報告しています。

GHOリスクマネジメント委員会メンバー

委員長:板倉 正(取締役専務執行役員、グローバルヘッドオフィス責任者)
委員 :Kevin Vyse-Peacock(取締役上席執行役員、ランシノ事業本部長 兼 LANSINOH LABORATORIES, INC. 代表取締役社長)
仲田 祐介(上級執行役員、シンガポール事業本部長)
山口 善三(上級執行役員、日本事業統括責任者)
周 剣峰(ピジョン中国区総裁 兼 中国事業本部本部長、ピジョン管理(上海)有限公司董事長)
田窪 伸郎(上級執行役員、経営戦略本部長)

GHOリスクマネジメント委員会がモニタリングする重点リスクとリスク主管部門

重点リスク リスク主管部門
コンプライアンス 法務部
財務 経理財務本部
情報セキュリティ 情報システム部
SCM(サプライチェーン) SCM本部
顧客苦情 お客様相談室
人権 経営戦略本部

その他、当社グループが認識する事業等のリスク

リスクマネジメントの方法

PDCAサイクルを構築し、一年を通じて活動しています。

GHOリスクマネジメント委員会活動

開催回数 年2回
取締役会報告 年1回
活動内容 ・当社グループのリスク、インシデント情報の共有
・重点リスクの施策立案、進捗管理
・グループ会社のリスクアセスメントの実施計画、リスク対策の報告

GHOリスクマネジメント委員会開催状況

第7回 2024年9月3日

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

1. 出生数の減少

当社グループの主力事業である育児用品の製造及び販売事業は、国内及び海外での出生数の減少により総需要量(数)が変動し、売上高の減少を生じる可能性が考えられます。

2. 経済動向・社会・制度等の変化に関するリスク

現在、当社グループは日本をはじめ、タイ、中国、トルコ、インドネシア、インドで商品を製造し、さらに日本、アジア、オセアニア、中近東、北米、ヨーロッパを中心に国内外で事業を展開しております。日本事業・中国事業・シンガポール事業・ランシノ事業が持つリスクとしては以下のものが考えられます。当社グループも各事業におけるリスクに対しては可能な限りのリスクヘッジを講じてはおりますが、予期できない様々な要因によって当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

・当社グループにとって影響を及ぼす法律の改正、規制の強化

・テロ・戦争の勃発、既知及び未知の感染症・伝染病の流行による社会的・経済的混乱

・地震等の自然災害の発生

・予測を超える為替の変動

3. 天候・自然災害

当社グループの主力商品である育児及び女性向け用品、介護用品は天候からの影響は比較的軽微と考えられますが、突発的に発生する災害や天災、不慮の事故の影響で、製造、物流設備等が損害を被り、資産の喪失、商品の滞留等による損失計上により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。とりわけ、気候変動は世界共通の取り組むべき課題と認識し、2021年12月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言への賛同を表明し、「ピジョングループTCFD Report 2023」及び当社のコーポレートサイトにおいてTCFD提言の枠組みに則った情報開示をしております。
TCFDレポート:https://www.pigeon.co.jp/sustainability/environment_top/warming/

4. 原材料価格の変動

当社グループの使用する主要な原材料には、原油価格やパルプ価格等の市場状況により変動するものがあります。それら主要原材料の価格が高騰することにより、製造コストが高騰し、また、市場の状況によって販売価格に転嫁することができない場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

5. 製造委託先での事故

当社グループの主力商品である育児及び女性向け用品、介護用品の一部は外部に製造委託を行っております。品質には万全を期しておりますが、事前の予想を超えた品質事故が起った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

6. 子育て支援に関するリスク

当社グループは、働きながら子育てをするご両親のため、保育、託児、幼児教育事業を展開し、多くの乳児、幼児をお預かりしております。そのため、安全には万全の配慮をしておりますが、乳児、幼児は予期しないケガをする可能性を秘めております。これまで当社グループの事業運営に影響を与えるような事故や補償問題は発生しておりませんが、将来にわたってそのような事態が発生しないとは言い切れず、そのような事態に陥った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

7. 製造物責任に関するリスク

生活者向け商品のメーカーとして、商品の品質や安全性、商品の原料に関する評価は非常に重要であります。当社グループは商品の設計段階から量産に至るまで、品質、安全性の確保に万全を期しておりますが、商品に欠陥が発生した場合、もしくは予期せぬ事故が発生した場合には、商品回収等に伴う損失の計上や、顧客の流出による売上の減少など、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

8. 訴訟に関するリスク

当社グループは、会社設立以来、多額の補償金問題など大きなクレーム又は訴訟等を提起されたことはございません。しかし、国内海外を問わず事業を遂行していくうえでは、訴訟提起されるリスクは常に内包しております。万一当社グループが提訴された場合、また、その結果によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

9. 情報システムのリスク

当社グループは、販売促進キャンペーンや赤ちゃん誕生記念育樹キャンペーン等多数のお客様の個人情報をはじめ、研究活動の成果や商品開発上の機密事項など、様々な重要情報を保有しております。当社グループは、これらの重要な情報の紛失、誤用、改ざん等を防止するため、システムを含めて情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、停電、災害、ソフトウエアや機器の欠陥、コンピュータウイルスの感染、不正アクセス等予測の範囲を超えた出来事により、情報システムの崩壊、停止又は一時的な混乱、顧客情報を含めた内部情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクがあります。このような事態が発生した場合、営業活動に支障をきたし、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

10.個人情報漏洩のリスク

当社グループは、生活者向け商品とサービスの提供を行っており、多くの個人情報を保有しております。日頃より全社員には個人情報保護の重要性の認識を徹底させ、社内教育受講の義務付け、顧客情報の管理の強化に努めておりますが、何らかの原因にて個人情報が外部に漏洩する可能性があります。個人情報が外部に漏洩するような事態に陥った場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

11. 信用リスク

当社グループは、国内外の取引先と商取引を展開しており、取引先の経営破綻又は信用状況の悪化により当社グループが保有する債権が回収不能になるリスクがあります。このような事態が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。