リサイクル活動

ピジョングループは「明日生まれる赤ちゃんの未来にも豊かな地球を残す」ため、循環型社会の実現に向けた取り組みを推進しています。

哺乳器のリサイクル活動

哺乳器は数ある育児用品の中でも、新生児の時から使用される場合が多く、使用済みとなった後でもご家族の方に愛着を感じていただける製品の一つです。ピジョングループは、お客様から役目を果たした使用済みの哺乳器を大切にお預かりし、新たな形に変え、資源を再利用できるようにするための資源循環プロジェクトを全社的に進め、プラスチックごみの削減を継続的に行っています。

※哺乳びん(ボトル容器)+ 乳首 + フード・キャップで構成された一つの製品

哺乳器のリサイクル活動(シンガポール)

シンガポールでは、2023年までに50,000本の使用済み哺乳器を回収する目標を掲げ、 2019年からブランドを問わず、使用済み哺乳器の回収とリサイクル活動を実施しています。シンガポール国内の店頭・保育園・コミュニティセンター等さまざまな場所に回収スペースを設置し、哺乳器をお持ちいただいたお客様にはピジョンブランドの哺乳器を割引価格で提供しています。2023年末迄に累計65,496本の哺乳器を回収し、目標を達成しました。今後は2030年迄にPigeon Singapore Pte. Ltd. が販売する広口タイプの哺乳器の年間販売数量の15%以上を回収することを目標に、活動を続けていきます。

※PPSU(ポリフェニルサルホン)製160ml哺乳びん1本あたりの重量で換算

  • ©House on the Hill

また、2024年4月に開催されたベビーフェアにおいては、使用済み哺乳器をリサイクルに出してピジョンブランドの哺乳器およびナチュラル・ボタニカル・スキンケア・シリーズの商品を購入したお客様を対象に、回収した哺乳器を活用したオリジナルのネームタグを制作し、ギフトとして提供しました。3日間で250個のネームタグをお客様にプレゼントしています。さらに、ベビーフェア開催期間中に割引価格で販売したピジョンブランドの哺乳器1本につき2SGD(日本円で約230円相当)を口唇裂・口蓋裂の赤ちゃんを支援する団体Smile Asiaに寄付しました。累計販売数量は1,993本におよび、寄付額は合計3,986SGD(日本円で約46万円相当)となっています。

  • 回収した哺乳器を活用して制作したオリジナルのネームタグ

哺乳器のリサイクル活動(中国)

2021年から中国では使用済みのPPSU(ポリフェニルサルホン)製の哺乳器をお客様から回収し、リサイクルする取り組みを実施しています。2024年6月現在、中国国内のベビー用品専門店26ヵ所に哺乳器回収ボックスを設置し、使用済みの哺乳器をお預かりしています。さらに、店頭以外でも、ECサイトを通して、使用済みの哺乳器も回収しており、2023年12月末迄に累計約67,000本※の哺乳器を回収しました。回収した哺乳器は成長したお子様に使っていただける食事用のトレーや植木鉢に生まれ変わり、ギフトとしてお客様に提供しています。

※PPSU(ポリフェニルサルホン)製160ml哺乳びん1本あたりの重量で換算

哺乳器のリサイクル活動(日本)

哺乳器には、プラスチック製と耐熱ガラス製の2種類があります。プラスチック製の哺乳びんにおいては、日本においてプラスチックを種類別にリサイクルする仕組みがなく、また耐熱ガラス製の哺乳びんは特殊なガラスのため、一般的に「資源ごみ」ではなく「不燃ごみ」として扱われます。これらの理由から、日本において哺乳器のリサイクルは進んでいない現状でした。そこで、株式会社赤ちゃん本舗や自治体、プラスチックのリサイクルのトータルプロデュースを主に行う株式会社パンテックなどの協力会社と協働し、ご家庭で使わなくなった哺乳器の回収と再資源化に取り組んでいます。

  • ピジョンが哺乳びんで目指す持続可能な循環型社会

哺乳器リサイクルの流れ

1.回収場所

哺乳器はピジョン株式会社本社ビル、ピジョンハーツ株式会社運営の保育園、アカチャンホンポ全店舗、常陸大宮市関連施設など約137ヵ所(2024年7月時点)に回収ボックスを設置し、お客様から役目を果たした哺乳器をお預かりしています。

  • ピジョン本社ビルに設置している哺乳器回収ボックス

    ピジョン本社ビルに設置している哺乳器回収ボックス

  • アカチャンホンポ店舗に設置している哺乳器回収ボックス

    アカチャンホンポ店舗に設置している哺乳器回収ボックス

2.回収実績

哺乳器の回収本数は、2024年5月末迄に、累計で17,049本に達しています。なお、哺乳器の回収本数に乳首やフード、キャップは含まれておらず、ボトル容器の本数のみのカウントとしています。

  • 回収した哺乳器のボトル容器(左)とキャップ(右)

    回収した哺乳器のボトル容器(左)とキャップ(右)

3.回収後の再資源化

お客様からお預かりした哺乳器は素材ごとに分別した後、再生原料化され、新たな製品原料の一部に生まれ変わります。また2023年3月からは、回収した耐熱ガラス製の哺乳びんの一部を原料として使用し、新たな哺乳びんとして生まれ変わらせる「循環型ものづくり」の取り組みも開始しました。

哺乳器リサイクルの認知拡大のために

哺乳器のリサイクルをより多くのお客様や関連する企業、自治体に知ってもらい、回収量の増加や再資源化の取り組みを推進するため、活動の認知拡大に向けた取り組みも実施しています。2024年6月には株式会社赤ちゃん本舗と共同し、啓発イベント「哺乳びんリサイクル哺乳びんリサイクルでつなぐ育児のバトン」を開催。神奈川県川崎市にあるグランツリー武蔵小杉スマイルスクエアにて、哺乳器を卒業したご家族や妊娠中のママを招待し、これまでの活動の歩みと今後の展望を説明した他、哺乳器卒業セレモニーやプレママへ回収したプラスチック製哺乳器の一部を原料に使ったマタニティマークの贈呈を行いました。イベント終了後は、ワークショップスペースにてオリジナルのマタニティマーク作りをご来場のプレママ・プレパパなど計39名に体験していただき、赤ちゃんが使っていた哺乳器がマタニティマークへと形を変え、育児のバトンとして引き継がれていくことで、リサイクルへの意識を高められるよう、啓発活動を実施しました。

  • プラスチック製哺乳器の一部を原料に使ったマタニティマーク 

哺乳器リサイクルにおける企業や自治体との連携

哺乳器リサイクル活動はさまざまな企業、自治体のご協力のもと、進行しています。神奈川県川崎市での哺乳器回収においては、ピジョンブランドの哺乳器だけでなく、他社ブランドの哺乳びんの回収も行うことで、社会全体としての持続可能なものづくり推進に貢献します。このプロジェクトには、哺乳器のブランドオーナー5社に賛同いただき、各社の哺乳器を川崎市で、回収します。哺乳器のブランドを問わない回収リサイクルの取り組みは日本初の取り組みです。ピジョンは神奈川県川崎市が実施する「かわさきプラスチック循環プロジェクト」および「脱炭素アクションみぞのくち」に参画し、各協力会社と連携することで哺乳器リサイクルを推進します。

この他にも、ジオ株式会社が運営する流氷硝子館とは、耐熱ガラスの哺乳びんを耐熱コップに再生する実証実験を行っており、流氷硝子館に併設する「シーニック・カフェ 帽子岩」にて、耐熱コップを活用したホットドリンクメニューの提供を開始しています。

紙製容器のアップサイクル活動(日本 - ピジョンホームプロダクツ)

ピジョンホームプロダクツ株式会社は、ピジョンが販売している「赤ちゃんの洗たく用洗剤ピュア」や「ベビー全身泡ソープ」などの使用済みトイレタリー用の紙製容器を同社工場内などの回収ボックスで回収し、ノートや絵本などへのアップサイクルを行っています。また、紙製容器のリサイクルに関する出張授業や、実際に紙製容器のアップサイクルを体験できる紙すき体験イベントなどを開催し、紙資源が資源循環される仕組みを消費者に説明することで、リサイクル活動の啓発を図ります。

※元の製品に新たな付加価値を持たせて別の製品として再生させること

ピジョングループはこれからも企業や自治体と連携しながら、これまでごみとして扱われていた哺乳器や紙製容器を回収し、リサイクルすることで、プラスチックやガラスごみを減らし、循環型社会の実現に貢献します。