すべての赤ちゃんのために

社会課題への貢献

私たちは、赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にするために存在します。事業活動を行うすべての国・地域において、赤ちゃんとお母さんを取り巻く社会課題を解決することで、赤ちゃん一人ひとりが持つ好奇心と成長する力を尊重し、多様な価値が共鳴し合う、自由で喜びにあふれた未来を創造していきます。

ちいさな産声サポートプロジェクト

早産で生まれた赤ちゃん、低体重で生まれた赤ちゃん、病気や外的疾患で治療が必要な赤ちゃんなど、専門的なケアを必要とする赤ちゃん一人ひとりの健やかな成長を支え、ご家族がより安心し幸せを実感できるように支援する活動を各国で行っています。

専門的なサポートが必要な赤ちゃん向けの商品

当社の商品は、60年を超える赤ちゃんの研究と子育て中のお客様の声に基づいて商品開発されており、例えば哺乳器・乳首は、中央研究所でのモニターやご家庭での訪問観察、病産院での超音波断層撮影(エコー)による口腔内の観察など、赤ちゃんの哺乳運動をさまざまな視点から研究することで誕生しています。すべての赤ちゃんがよりよく哺乳できることを追求し、病産院のNICU(新生児集中治療室)との共同研究に取り組み、「口唇口蓋裂児用哺乳器」「細口哺食器」「弱吸啜用乳首」など、低出生体重児や障がいをもつ赤ちゃんの体への負担を最小限にしながら母乳やミルクをしっかり哺乳できる専用商品を提供しています。また「早期産児おしゃぶりPreemie Care」は、治療や処置などの痛みを緩和させる一つの方法として用いられています。2021年には母乳バンクで使用される、ドナーミルクをより安全かつ衛生的に保存できるようにした「母乳保存・低温殺菌専用ディスポーザブルボトル」、2022年には病産院向けに、早産児・低出生体重児にママの初乳を一滴でも多く届けられるよう初乳採取をサポートするデバイス「Precious Drop(プレシャス ドロップ)」の販売を開始しました。さらに中国においては皮膚の発達が不十分な赤ちゃんのトラブルを軽減するため、低出生体重児専用オイルを開発しました。専門的なケアを必要とする赤ちゃんを常にサポートしてきたことで蓄積されたノウハウは、一般的な商品の開発にも反映され、ピジョンの商品力を支える大きな強みとなっています。

赤ちゃんとそのご家族を取り巻く課題を解決するための活動

母乳バンクの普及支援

専門的なケアを必要とする赤ちゃんとご家族向けの活動の一つとして、日本・中国・インド・ベトナムなどにおいて、母乳バンクの支援を行っています。母乳バンクとは、母乳が必要な極低出生体重児(出生体重1,500g未満の赤ちゃん)が、ママの体調が悪い、十分な量の母乳が出ないなどの理由でママから母乳を得られない場合に、寄付された「ドナーミルク」を低温殺菌処理して安全な形で提供する施設です。 ピジョンは2020年9月、当時日本で2拠点目となる「日本橋 母乳バンク」を本社1階に開設するなど、全面的な支援を始めました。 2021年には日本母乳バンク協会主催の「母乳バンクのドナーミルクを利用された赤ちゃんとご家族の座談会」の事務局として、 母乳バンクの認知向上に向けた普及活動を積極的に実施するなど、サポートの幅を広げています。2022年には、座談会で得られた声や当社独自の調査結果を基に、ドナーミ ルクへの理解を深めて抵抗感を軽減するために「ドナーミルクご利用家族向け・情報 Book」を作成し、ドナーミルク利用病院への無償配布を開始しました。ドナーミルクの安全性と有効性に関する情報やドナーミルクを利用したご家族の体験談を掲載することで、不足する知識を補い、使用の是非を判断できるよう手助けしています。 また2020年から3年連続で、母乳パッドや母乳フリーザーパックなどの対象商品の売上の一部を一般社団法人 日本母乳バンク協会に寄付する「#ちいさな命を救おう」 キャンペーンを実施しました。多くの方に賛同いただき、このキャンペーンを通して 約1,000万円(2020年~ 2022年)を寄付しています。

ピジョン早産児医療保険(中国)

2018 年11 月、PIGEON (SHANGHAI) CO., LTD.は中国平安保険会社と協力して中国初の「早産児医療保険」を設計しました。中国では、小さく生まれた赤ちゃんを救う新生児医療は進歩していますが、経済的理由から治療を断念する家族も多い現状があり、この早産児医療保険を通して早産児のご家庭における医療費の経済的負担を少しでも軽減できるよう支援しています。

後期早産児とご家族の心のケア(ピジョンにっこり授乳期研究会)

ピジョンでは、2014年に授乳期のママと赤ちゃんの専門家とともに、授乳期の課題を見つけ、ソリューションを提供する「ピジョンにっこり授乳期研究会」を発足。
2018年からはNICU(新生児集中治療室)・GCU(新生児治療回復室)に入院した後期早産児(妊娠34週~ 36週で生まれた赤ちゃん)を出産した母親が心の中に抱える想いを明らかにする研究に取り組み、学会等において発表を行っています。
また、その研究過程にて、母親への心のサポートの必要性が明らかになり、支援策の一つとして、本研究会の専門家とともにご家族へ向けたサポートブック(NICU・GCUに入院した後期早産児とそのご家族向け冊子)を作成、無償で提供しています。

  • 第 59 回日本母性衛生学会総会・学術集会学術発表(口演)の様子

  • NICU・GCUに入院した後期早産児とそのご家族向け冊子「ちょっと早く生まれた赤ちゃんのサポートBOOK」

授乳期の研究活動(ピジョンにっこり授乳期研究会)

ピジョンは2014年、授乳期のママ・パパと赤ちゃんに携わる専門家とともに、授乳期の課題を見つけ、ソリューションを提供する「ピジョンにっこり授乳期研究会」を発足しました。「より多くの赤ちゃんが健康に育ち、より多くのママ・パパが子育てに幸せを実感できることを大切にする社会を目指す」という理念の下、授乳に関する情報を包括的にまとめた「しあわせ授乳期サポートBOOK」 を2016年に発行して以来、累計約89万部(2022年12月末時点)を無償で提供しています。

妊娠中~授乳期のママ・パパ向け冊子「しあわせ授乳期サポートBOOK」

授乳・さく乳室の設置支援

ピジョンでは誰もが安心して母乳育児を続けられる環境整備や出産後の女性の復職支援を目的に、世界24ヵ国約450カ所(2022年12月末現在)※で「授乳・さく乳室」の設置や商品提供等を通じた運営支援を行っています。
※2021年12月末時点:世界23カ国11,005カ所。2013年から2021年まで、中国において約10,000ヵ所以上の「授乳・さく乳室」にて運営支援を行い、授乳環境の整備に貢献いたしました。2022年からは、中国においてより課題が大きい低出生体重児の支援として母乳バンクの設置支援、口唇口蓋裂児の支援として寄付や商品提供、ボランティア活動など専門的なケアを必要とする赤ちゃんの支援に注力しています。

わたしたちの活動「小さく生まれた赤ちゃんのために母乳バンクを支援(中国)」

わたしたちの活動「口唇口蓋裂の赤ちゃんをサポート(中国)」

Baby Friendly Future Project

赤ちゃんにやさしい未来を実現するために、社会全体で考え行動に繋げる取組み「Baby Friendly Future Project」を2021年に発足しました。
日本の中学生向けに教育プログラム「赤ちゃんを知る授業-赤ちゃんにやさしい未来のために-」を開始し、先生が授業を実施するための教材を約130校に無料で提供しました。

「Baby Friendly Future Project」について、詳しくはこちらをご覧ください。

「赤ちゃんにやさしい未来像」WEBサイト